「表紙」2011年04月28日[No.1361]号
お仕事燃焼系 魅ちびけインストラクター17(2011年04月28日掲載)
しなやかに動き、切れ味鋭く
フルボックス 玉城由希乃さん
心音が溢れ出したかのように、脈打つ音楽がスタジオに響きわたった―と同時に、キックとパンチが繰り出される。戦い挑む表情を見せ、クラスを鼓舞するのは玉城由希乃さん。動き出したその体は切れ味鋭く、かつしなやか。プログラムを終えたその表情には、達成感と柔和な笑みがこぼれた。
話題のエクササイズ提供 幅広い年齢層に人気高く
フルボックスは、スポーツクラブで定着した格闘系エクササイズの一種。決められた動きをアッパーな音楽に合わせ、60分間繰り返し行う。
「振り付けがシンプルで、何よりもストレス発散効果が並じゃありません(笑)。音楽が流れるとウォーミングアップで体を慣らします。空手、ボクシング、ムエタイの動きで1周。それを3周繰り返し、筋力トレーニング、心肺機能トレーニングで体を整え、プログラム終了です」
ハードな動きを想像してしまい、敬遠しがちな格闘系エクササイズ。しかしフルボックスは動きが単純で、覚えるのに時間がかからない。
「音楽だけではなく、パンチやキックの効果音が気分を盛り上げます。空手、ボクシング、ムエタイのファイティングポーズを全員で決めるので、クラスの一体感も生まれますね。エクササイズしながらストレス解消、一石二鳥だと思います(笑)」
フルボックスを含め、週に10本、7種のプログラムを担当する玉城さん。フィットネス部門のスタジオ責任者として、新たなプログラム導入に余念がない。
「利用者の方々には、長い時間楽しく過ごして欲しと思っています。飽きがこないよう、旬のスポーツや話題のエクササイズを提供することも重要です。フルボックスは、幅広い年齢の方が気軽に楽しめるエクササイズなので、まずは私が指導者として広めていきたいなと思ったんです」
一生の仕事として選んだスポーツインストラクター。幼い頃からスポーツが大好きで、将来の夢は体育教師だった。
「両親兄弟とも、家族全員が何らかのスポーツをしていましたから、スポーツをすることは自然なことでしたね。父が少年野球の監督をしていたので、小学校4年生までは野球に打ち込み、5年生からはバスケットボールを始めました。高校ではレギュラーにはなれず悔しい思いもしましたが、短大でも続けました。辛い時、私には忍耐力と持久力があるんだ、と自分に言い聞かせ頑張ります」
短大卒業後は幼稚園で臨時職員として働きながら、教員採用試験に向けて勉強を続けた。その後、スイミングスクールで働き始めたことをきっかけに、インストラクターという職業を意識する。
「幼児から大人まで、幅広い年齢の方と過ごす毎日に、仕事を通しての充実感がありました。これはなかなか得られるものではない、インストラクターとして本格的に勤めたいと思いましたね。それで、スカイスポーツに就職を決めたんです」
スポーツインストラクターという職業を選択し、5年がたった。多くの出会いを経験し、感謝の気持ちを学んだという。
「健康維持のためのプログラムを主に担当していますので、高校生から90代のご高齢の方まで、スポーツを通して幅広い年齢の方と触れ合えます。とくに、人生の先輩方からは色々と学んでいます(笑)。”玉城さんのレッスン楽しいよ!“と、投げかけられるその言葉の数が、インストラクターとして成長の証しだと思っています」
颯爽とスタジオを駆ける後姿は、玉城さんが目標とする、背中で見せるインストラクターとしての存在感を十分に放っていた。
玉城さんが勤めるスカイスポーツでは、1週間170本のスタジオプログラムを提供。フルボックスは、6月からの開催を予定している。県内トップクラスのトレーニングジム、プールやジャグジー、サウナといった充実した設備を完備。ランニング・カラオケサークル、ボウリング・エアロビクス大会など、内外のイベントを数多く設け、利用者とスタッフの距離が近い。日曜日の予約制入会説明会に参加するのがお得。
■スカイスポーツ 那覇市具志885TEL098-857-0008 http://www.sky-sports.jp
編集・狩俣美奈子/写真・國吉和夫