「表紙」2019年10月10日[No.1797]号
体が変わるのが面白い
最近、「筋トレ」に注目が集まっている。男性はもちろん、理想のボディーに近づくため、筋トレを始める女性たちも増えているという。重いバーベルを持ち上げるパワーリフティングや、筋肉美を競うボディービルに早くから取り組み、現在は女性限定のパーソナルトレーニングジム「H.SPボディコンディショニングアカデミー」代表として活躍する小田川晴美さんをはじめ、筋トレに取り組む5人の女性たちに話を聞いた。
嘉手納町嘉手納、ロータリー広場近くの一軒家。扉を開けると、筋トレ用のマシンの数々が並ぶ。ここは、女性限定のパーソナルトレーニングジム「H.SPボディコンディショニングアカデミー」(以下、H.SP)。代表の小田川晴美さん(56)が、にこやかな笑顔で出迎えてくれた。
女性らしい柔和な表情が印象的な小田川さんは、実は筋金入りのスポーツウーマン。1980年代からエアロビのインストラクターとして活躍し、90年代には県内外のパワーリフティングの大会、00年代にはボディービル大会で、優勝をはじめとする数々の実績を誇る。
ボディービルに取り組んだのは、ボディービルダーの小田川洋司さんの影響が大きいという。「ボディービルは出産後、ダイエットのつもりで始めました」とサラリ。
現在は現役の選手は退き、11年に立ち上げたH.SPの代表として、筋トレによる女性らしいボディーの実現を目指す会員たちをサポートしている。
メンタルにもプラス
筋トレというと、男性的な筋骨隆々のボディーをイメージするが、小田川さんが目指すのは、女性らしいボディーライン。体重を使い、気軽に行える自重トレーニングにも重きを置いている。
小田川さんは、「トレーニングをしても効果が出ないという方は、筋肉を正しく使えていない場合が多い」と解説。女性限定のパーソナルトレーニングというメリットを生かし、筋肉をタッチして意識させるなど、分かりやすい指導を心がける。美しく見える筋肉の付け方やポーズなども、個人の体つきに応じて個別にアドバイスする。
2年前からH.SPに通うモデルの仲田可枝(かえ)さん(34)は、「小田川さんは明るい先生。教えてもらうたびに元気をもらえる」と話す。トレーニング中に、子育てなど、女性の悩みを相談することもあるそうだ。
仲田さんは自重トレーニングを中心に、無理のない筋トレに取り組む。体力を使うモデルの仕事に役立つだけでなく、「リフレッシュでき、精神的にも前向きになれる」と筋トレの魅力を語る。
仲田さんとほぼ同時期にダイエット目的で筋トレを開始し、目下ボディービル大会への出場を目指して調整中の中村幸恵さん(30)は、「筋力をつけるトレーニングは肉体的にきついが、体に変化が出るのでうれしい」と笑う。
目標があれば頑張れる
小田川さんは女性ボディービルダーの育成にも取り組む。スポーツジム勤務の山田恋美さん(28)、ネイリストのテイト美幸さん(35)も小田川さんのアドバイスを受ける2人だ。
毎日、鍛える部位を変えながらハードな筋トレに励む山田さんは、「自分の体が変わっていくのがモチベーション。減量はきついけれど、絶対1位を取るという目標があれば頑張れる」と闘志を燃やす。
テイトさんは、「シックスパック(6つに割れた腹筋)になりたい」という目標を胸に筋トレを開始。半年後、見事に目標を実現したことで筋トレの面白さに目覚め、ボディービル大会にも出場した。トレーニングを開始してからは、体をつくる上で大きな要素を占める食べ物にも気を使うようになったという。
9月29日、北谷町美浜で小田川さんが主催するボディービルの日米親善チャリティー大会「ハッピーサマーコンテスト」が開かれた。同大会は、親子で楽しく参加できるのが特徴。大会に出場するお兄さん、お姉さんのような体にあこがれ、子どもたちがきちんと食事を取るようになることもある、と小田川さん。
10月14日(月)は体育の日。これを機に、体も心もしなやかにしてくれる筋トレに目を向けてみてはいかがだろうか。
(日平勝也)
H.SPボディコンディショニングアカデミー
嘉手納町嘉手納297-26
☎098(988)7460 (女性限定、完全予約制)