「表紙」2020年02月27日[No.1816]号
県民に愛され育てられて25年
フォークグループ「かぐや姫」の曲を中心に、1970年代の日本のフォークソングをカバーしている県内の4人組バンド「かぐやひも」。歌声と演奏、そしてトークで観客の耳も心も魅了し、結成から25年たった現在も人気を誇っている。その秘訣(ひけつ)や今後目指す道など、活動を振り返りながら語ってもらった。
ダンスミュージックのバンド「ブロードウェイ・パーティ」のメンバーとして出会い、フォークソング好きな3人が意気投合したのが、かぐやひもの始まり。ステージ合い間の休憩時間にフォークの名曲を披露して注目され、ワンマンライブを開催する運びになったという。
「かぐやひもの初ライブは1995年3月3日に行いました。25年たち、メンバーチェンジ他いろんな出来事がありましたよ」と話すのは、リーダーで「D–Set Cafe」を経営する伊波竹敏さん。かぐやひもでは南こっせつと名乗りギターを弾く。現在はにせ正三さん(ギター)、ソーミンさん(キーボード)と主に3人で活動。ベースの山田パンサーさんは現在他県在住で、定期ライブは3人での出演が多いそうだ。
「中学生のころフォークに夢中になり、かぐや姫が大好きでした。彼らの名前からバンド名を付け、彼らの曲を中心に懐かしいフォークを歌っています。月に1回ライブを開催していて、10月には300回を数えますよ」とこっせつさん。
当初は自分たちが楽しむ気持ちで舞台に立っていたが観客が増え、知名度が広がった。
「駄じゃれで書いた歌詞にメロディーを付けた『動物のうた』が好評で、CDにしたら有線リクエストで県内一位になるくらいヒットしたんです。ふざけた曲なので、当時は珍しかったかも!?」とこっせつさんは振り返る。自らが経営するライブハウスを本拠地としつつ、大型スーパーのイベントに定期的に出演している事もバンドが育ち継続できた理由だという。
ライブは観客参加型
観客のリクエストに応える姿勢も、人気を支えている。
「レパートリー曲を多く抱えるのは大変ですが、休憩時間にリクエストカードを見て選曲し、楽譜を準備しています。『こんないい曲あったね。次回歌おう!』など不採用曲も面白く紹介していますよ」と笑うこっせつさん。ユーモアあふれるトークもバンドの大きな魅力だ。
メンバーのソーミンさんも、「私もお客さんと同じ。月1回大笑いするのが楽しみです。一緒に笑って歌うのは健康的だと思います。メンバーが仲良しなので、楽しいライブを続けていけるのでしょうね」と語る。
にせ正三さんは、結成時の目標「70歳まで活動」に近付いてきた事実に驚いている。
「メンバーもお客さんも家族のような感覚で接して、のんびりとライブができるのが楽しい。学生時代はフォーククラブに入り、影響を受けたのがかぐや姫。ご本人たちにお会いしましたし、特に山田パンダさんは空港に迎えに行き僕の車に乗せたんですよ」と夢のような思い出も教えてくれた。
本家公認、多忙な音楽人生
かぐやひもと本家かぐや姫とのエピソードは実にたくさんあるという。
「2001年に名護市に再結成コンサートを見に行った時、イベンターさんの案内で楽屋で初対面を果たしました。それからは南こうせつさんと雑誌対談をしてステージ共演を誘われたり、東京ライブにパンダさんが参加したり、ありがたい機会をいただいています」
日本の音楽界の大御所に認められるのは、かぐやひもの人気と実力があってこそ。
「お客さんに関係者、出会いに恵まれていますし、メンバー間のつながりも深いです。音楽に触れていると年を取らないと思えるし、将来についても、年齢に合わせてライブの時間を早めに設定したり、デイサービスを巡回したり…これからも大忙し!」とこっせつさん。5年後の30周年には、記念アルバムの発売を計画している。その前に25周年ライブや定期ライブでかぐやひもの歩みを感じてほしい。彼らのライブはフォーク世代の枠を超え、楽しませてくれる事間違いなしだ。
(饒波貴子)
2020 For PM 25周年 フォークの日スペシャルライヴ「かぐやひも〜愛されて25祭〜」
日時:4月4日(土)開場18時/開演19時
会場:ミュージックタウン音市場(沖縄市上地)
料金:3500円(全席指定)
問い合わせ: ☎098-877-2361 〔FM沖縄〕
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※「かぐやひも」定期ライブは毎月最終土曜日、D-Set Cafe(那覇市牧志)にて開催。
予約・問い合わせ:☎ 098-861-8110