「表紙」2021年01月14日[No.1862]号
練習は厳しく、 試合は楽しく!
八重瀬町の学童軟式野球チーム「友寄ムムクラーズ」は6年生13人を筆頭に、全部で32人が在籍している。「練習は厳しく、試合は楽しく」がチームのモットーだ。練習場となっている白川小学校のグラウンドへ足を運ぶと、そこには大きな声を出しながら練習する元気な子どもたちの姿があった。
取材当日、友寄ムムクラーズの子どもたちはちょうど目の前に迫る試合に向け練習に励んでいた。6年生にとっては学童野球の集大成となる試合だ。悔いのないよう頑張ってほしい、と思いながら練習風景を見学させてもらった。
信念をもって教える
監督の金城清仁さんはチームに関わり14年、監督に就任して8年がたつ。いまでこそ大会では上位に食い込むチームに成長しているが、当初は「弱かった」という。だが、「やるからには優勝したい」とアイデアを練り、指導方法を見直した。
「高校野球の練習内容を学童用に変えて一から教えました。でもその前に、指導者が勉強しなければいけないので時間がかかりました」
高校生のプレーは子どもたちにとっていい刺激になる。基本を着実に覚えさせ、成長するよう力を注いだ。他の練習メニューにも取り組みたい子どもたちとの「我慢勝負」もあり、「最後まで、しっかり教えるという信念がないと難しい」と話した。
その努力が実ったのは金城さんが監督になって2年目のことだった。実に39年ぶりの県大会出場にして、初優勝。全国大会へと導いた。
さらなる飛躍を願う
友寄ムムクラーズは昨年1月に県南部地区少年野球交流大会で準優勝し、徳島県で開催予定だった全国大会への切符を手にした。しかし新型コロナウイルス感染拡大の影響で出場を見合わせることに。
チームの父母会会長・新垣勝弘さんは、「本来なら子どもたちはのびのびと試合ができたはずです。自粛期間を終えて練習ができるようになっても、大会があるのかないのか分からない状況で子どもたちはどこに目標を持っていけばいいのか分からなかったと思います。それでも監督は子どもたちのモチベーションを上げてくれたので本当にありがたいです」と感謝の気持ちを口にした。新垣さんいわく「監督は厳しくもあり、優しくもあり、子どもたちに好かれている存在」だという。
金城さんは、もうすぐ卒業する6年生へ向け「このチームで教わったことを次のステップで生かしてほしい。あいさつを大事にし、周りに感謝しながら、中学、高校、社会人になっても技術面、精神面でも成長してほしい」とさらなる飛躍を願っている。
最後にキャプテンの金城成晴(なるせ)さんに話を聞くと、「6年間短く感じたけど、みんなと野球ができて楽しかった」といい、これからも野球を続けるかとの質問に「はい!」と真っすぐな表情で答えた。子どもたちの今後の活躍を期待したい。
(﨑山裕子)