「表紙」2023年12月07日[No.2013]号
誰でもサンタクロースに
子どもたちにプレゼントを届ける活動を行っている「チャリティーサンタ」。全国各地に40支部あ るNPO法人だ。8年前に発足した沖縄支部では、さまざまな活動を通して子どもたちに愛された 記憶を残そうと取り組んでいる。近年では、経済的に苦しい家庭に無償で本を贈る「ブックサンタ」 プロジェクトなども県内外で広がりを見せている。同支部代表の渡部さんに活動について聞いた。
「あなたも誰かのサンタ クロース」を合言葉に活動 するNPO 法人「チャリ ティーサンタ」。クリスマスイ ブの日、子どもがいる家庭 にサンタクロースを派遣し てプレゼントを届けたり、一 般家庭から募った寄付金で 経済的に困窮する家庭の 子どもに無償で支援を行っ たりしている。
2015年9月に沖縄 支部を立ち上げた北海道 出身の渡部幸男さん。もと もと2009年から当時 の勤務先、神奈川県でチャ リティーサンタに参加して いた。「 30 歳を過ぎてからボ ランティア活動で社会貢献 したいと探して見つけたの がチャリティーサンタでし た」と振り返る。沖縄転勤 を機に支部を設立し、現在 スタッフは9人。昨年は 26 人のサンタクロースが県内 の 21 家庭と5カ所の施設 を訪問した。
一般家庭の訪問では30 00円の寄付金を受け取 り、貧困や被災などで厳し い環境下に置かれている家 庭の支援に充てている。 「誰かの幸せな思い出が、 またどこかの誰かの幸せを 生み出していくということ。 サンタクロースを依頼した ご家庭も誰かのサンタク ロースになっているんです」 と話す。
困窮家庭には無償で支援
沖縄支部では、NPO法 人「しんぐるまざあず・ ふぉーらむ沖縄」と連携し、 ひとり親家庭の子どもに 無償でプレゼントを贈る取 り組みを行っている。クリス マス以外にも、誕生日の企 画を行うなど、年間を通し て活動している。
渡部さんは「子どもたち を笑顔にしたいと思い、行っ ているのですが、こちらが 感動をもらうことが多いで す」とほほ笑む。運営する 誰でもサンタクロースに 側に立ってからは、「やって よかった」「感動した」と喜 ぶボランティアのサンタたち にも感動をもらっていると いう。
本を届ける取り組みも
2017年から展開し ている「ブックサンタ」にも 力を入れている。「本当はク リスマスなんて来ないでほ しいと思っています」という シングルマザーの声をきっか けに全国で始動したプロ ジェクトだ。経済的に困窮 する家庭や被災地の子ど もに無償で本を贈ってい る。賛同した人が提携書店 で子どもに読んでほしいと 思う本を買い、レジに預け ると、クリスマスや誕生日 などの特別な日に本が届 くという仕組み。全国で1 683店舗、沖縄県では 14 店舗が参加している( 11 月 30 日現在)。
1年目に集まったのは全 国で約800冊。支援の輪 は広がり続け、昨年の寄付 は全国で7万冊を超えた。 目標は100万冊。「 10 年 後には毎年安定して必要 とする子どもたちに贈れ るようにしたい」と考えて いる。
子どものために大人が 手を取り合う社会づくり を目指しているというチャ リティーサンタ。渡部さん は「プレゼントを受け取った 子どもたちが大人になった 時、一緒にサンタ活動ができ たら素晴らしいことだと思 いますね」と夢を語った。
(坂本永通子)
NPO法人チャリティーサンタ沖縄支部
・沖縄支部インスタグラム:
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・チャリティーサンタHP:
https://www.charity-santa.com/
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写真・村山 望