「島ネタCHOSA班」2012年04月12日[No.1411]号
沖縄には「コールセンター」が多いと聞きました。その理由は何ですか?また他県との違いがあるのでしょうか?(2012年04月12日掲載)
コールセンターなぜ多い?
(40代、那覇市、K・M)
「コールセンター」。テレビのCMや雑誌、新聞の広告などでその「文字」をよく見掛けますね。求人雑誌でも「コールセンター」の募集は多いですよ。調査員、いろいろチェックしているんです。
さて、「コールセンター」とはどういう仕事をするのでしょうか。例を挙げてみます。IT機器が故障した時、説明書に記載されている番号に電話を掛けると、担当者が優しく対応してくれますね。また、購入した商品に不備があった場合、パッケージにある番号に電話して相談しますね。それに対応してくれるオペレーターがいますが、これがコールセンターの仕事です。
15000人の職場
「コールセンター」業務には、いくつかの企業のコールセンター業務を担うアウトソーシングと、企業が自分たちでコールセンターを運営するインハウスがあります。
沖縄になぜコールセンターが多いのか。一つの理由は、沖縄県が1998年から進めているマルチメディアアイランド構想で誘致事業を展開していることです。現在65社の企業が進出し、約15000人がコールセンター企業で働いているそうです。
調査員は「トランスコスモス・シー・アール・エム沖縄」にお話を聞きに行きました。
トランスコスモス・シー・アール・エム沖縄の設立は1999年。沖縄市に本社がありますが、今回訪問したのは那覇市おもろまちにあるビル。近代的な建物から多くの人が出たり入ったりしていました。
「コールセンター業務は、自分の生活リズムに合わせた勤務形態を選択することができるのが特徴です」とゼネラルマネージャーの佐藤真則さん。同社はアウトソーシングのコールセンターで、現在約3300人が働いています。調査員、この数字に驚きました。業務を担うオペレーターの年齢層も10代から60代まで幅広いです。
サービスマインド
「電話」を通してでしか相手とコミュニケーションがとれないオペレーター。顔が見えないだけに非常に気を遣う仕事ですね。お客さまに分かりやすく言いたいことが伝わったか、あるいはお客さまのほしかった情報を提供することができたか。オペレーターには高いコミュニケーション能力が必要になります。
佐藤さんは沖縄にコールセンターが集中している理由として「一つには沖縄の人のコミュニケーション能力。おもてなしの心があり、それが電話を通してお客さまに通じているのではないかと思います」と説明します。また「お客さまを満足させようというサービスマインドもあると思います」と付け加えました。
電話をかけてくるのは、必ずしも地元の人とは限りません。全国から買った商品についての問い合わせ、相談などさまざまな内容で電話がかかってきます。お客さまはオペレーターの心のこもった対応に感激し、感謝の手紙、プレゼントを送ってくることもあるそうです。
同社の設立時からかかわっている総務部グループマネージャーの佐久川尚子さんは、お客さまからの感謝やねぎらいの言葉がオペレーターの仕事のモチベーションをあげるといいます。
「お客さまからのありがとうの手紙が壁いっぱいに張られている事務所もありますよ」と話します。
あなたもいつかコールセンターに電話をかける機会があるかもしれません。電話の向こうのオペレーターは、あなたの相談に親身に対応してくれるでしょう。