「島ネタCHOSA班」2012年06月21日[No.1421]号
先日、「冷やし中華にマヨネーズをかけるとおいしい」と友人に話すと驚かれました。私は県外出身で、地元ではコンビニなどでも当たり前のように付いていたのですが、こちらではありえないことなのでしょうか?(2012年06月21日掲載)
冷やし中華にマヨネーズ?
(那覇市 Iさん)
あらま〜ヤダ、Iさん、奇遇ですね。実は私も県外出身なのです。言われてみれば…うん。確かに! もう8〜9年前になりますが、私がふるさとのタコ焼きの国で暮らしていた時には、コンビニの冷やし中華にマヨネーズが付いていましたね。果たして沖縄ではどうなのか?
昔は付いていた?
とりあえず聞き取りをと、周囲のウチナーンチュの皆さまに聞いてみると「マヨネーズ!?ええ?」とか「なんで?」などと、質問を質問で返される始末。どうやら、かけないのが普通のようだなと調査を終わろうとしていた矢先、「昔は付けて売られていたような気もする」との貴重な証言が! 「気もする」というのが少し不安ではありますが、新たな可能性が出てまいりました。よし! この証言をしっかりと胸にだきしめて、本丸を攻め落とそうぞ! 皆のものついてまいれ!
ということで、やって来ました那覇市にある沖縄ファミリーマート。対応していただいたのはキリッとした眉毛がりりしい商品部商品課担当の仲村渠忠さん。さっそく大事に抱きかかえてきた証言をぶつけてみると?
「ええ。沖縄でも4年ほど前まではマヨネーズを付けて販売しておりましたよ」
と、眉毛をピクリとも動かさずあっさりとしたお答え。そうですか、4年前までは付いていたのか。ということは、マヨをかける文化ではあったということですね?
「う〜ん。それはちょっと違うかもしれません。あくまでもそうではないかという話で断言はできませんが、そもそも、この冷やし中華にマヨネーズの発祥は名古屋などの東海地方と言われておりまして、そこから全国に広まったようなんです。」
ほほう。東海地方が?
「地域限定の食べ方だったものが、14〜15年前のマヨネーズブームで一気に全国区になったんですよ。『マヨラー』って言葉がはやった時期があったのを覚えていませんか? それで、沖縄でも付けて販売するようになったという感じですね」
マヨラー! 懐かしいですね。確か何にでもマヨネーズをかける人って意味でしたよね。なるほど、はやりものだったということか。でも、その14〜15年前のブームから始まって、4年前までは付いていたということは10年近くですよね? 市民権を得るのに十分な期間だと思うんですけど。やめられたのはナゼなんでしょう?
削って他の具材へ
「まず、先ほどお話したように、そもそもマヨネーズをかける文化ではなかったこと。また、全国画一の商品より、もっと地元の皆さまに愛されるもの、沖縄オリジナルの味をと、商品開発に力を入れるように変わっていったことですかね」
ほほう。地域に密着ということですね?
「はい。県内で営業されておられる中華店で出されている冷やし中華にマヨネーズが付いてくることはまず無いですよね? それはひるがえって考えると多くの県民がマヨネーズを求めているわけではないということになります。そういった市場調査を重ねていった結果、マヨネーズを付けることよりも、そのコストを他の具材に生かすほうがより皆さんに愛される商品が作れるのではということですね」
なるほど〜、消えたマヨネーズの代わりに、地域への思いが入ったということですね。
「うちだけではなく、全ての企業さんに当てはまることだとは思いますが、そう言っていただけるとありがたいですね(笑)」
Iさん、沖縄でもマヨネーズは付いていたようです。それが消えたのは、県内各企業の努力の結果ということでした。
ちなみに、沖縄ファミリーマートさんでは、マヨを削った代わりにどう変化したかといいますと。まず、ドドーンと肉が増量されたことにはじまり、その後は具材や麺、つゆを見直すなど毎年リニューアルを重ねているとのことでした。忘れがたきはふるさとの味とは言いますが、沖縄の味も良いものですよ!?