「島ネタCHOSA班」2014年11月27日[No.1546]号
先日、沖縄市内のピザ屋の前を通ったとき、「NO CORN(ノー・コーン)!」と英語で書かれた看板を見かけました。「コーンなし」ってどういう意味なのでしょうか? 気になるので、ぜひ調べてください。
ピザにコーンは邪道!?
「コーンなし」を売りにしたピザ屋ってどういうこと? コーン大好きな調査員、これは確かめなくては! 早速、そのピザ屋さんに行ってみることにしました。
本場の味ではない?
訪れたのは、沖縄市中央にある「アメリカンピザマン」。いきなり看板に「ノー・コーン」の文字を発見! アメリカ出身のオーナー、スティーブ・Bさんに話を聞きました。
「ノー・コーン!」と看板に書いてありますが、どんな意図があるのでしょう?
「コーンが乗ったピザはアメリカでは存在しません。コーンはピザには属さないものなのです。アメリカのピザは一般的に、トマトソースとチーズにペパロニやマッシュルームなどスタンダードな何種類かのトッピングを乗せたシンプルなもので、コーンは使いません。他にも、シーフードやポテト、マヨネーズのトッピングなどは信じられないですね。本物のアメリカンピザという意味を込め、ジョークでこの看板を作りました」
スティーブさんは32年前、仕事でアメリカから沖縄に移住。その時、初めてコーンが乗ったピザに出合ったそうです。
「初めて沖縄でピザを食べたときは本当に驚きました。アメリカンピザのお店に行ったのにピザにコーンが乗っているのですから。日本のピザはピザではありません!」
コーン自体は好きだというスティーブさん。でも、組み合わせがあり得ないのだそうです。
16年前に開店した当時から「ノー・コーン」をうたっていたという同店。最初に作ったコマーシャルも「ノー・コーン」を連発したもので、記念すべき1人目のお客さんは「ノー・コーン」の広告を見た人だそう。そこまでコーンなしピザにこだわっているとは、アメリカンピザに対する情熱を感じます。
革新的な組み合わせ
では、他のピザ屋ではどうなのでしょう? 次に訪れたのは、北谷町砂辺にある「ピザインオキナワ」。多いときは外国人客が半数を占めるといいます。スタッフの豊見山博登さんに聞いてみました。
ピザにコーンのトッピングって、外国人には不評なのでしょうか?
「うちはビュッフェ式なのですが、コーンの乗ったピザは日本人には人気がありますが、やはり外国のお客さんはほとんど食べないですね」
豊見山さんは以前、外国人のお客さんに、なぜ日本のピザにはコーンが乗っているのかと聞かれたことがあるそう。
「コーンはフルーツのような感じなのではないでしょうか。傾向としては、特にアメリカ人は、ペパロニやイタリアンソーセージなどシンプルなピザが好きですね。ベジタリアンの外国人に野菜ピザをリクエストされたときは、あらかじめコーンは抜いています。食べないだろうと思って」
そんな細やかな気遣いもしているなんて、さすが国際色豊かなレストランです。
帰り際、別のお客さんにも質問してみました。在日15年になるアメリカ人のカイル・チャンブレスさんが答えてくれました。
「コーンとピザって、アメリカ人にとっては革新的で過激な組み合わせですね。今でこそ浸透していますが、海外で人気のアボカドやクリームチーズの入ったすし、抹茶ラテなども初めは日本人にとって信じられない組み合わせだったのではないでしょうか。私も初めてコーンピザを見たときは、気絶しそうになりました。でも、今では食べられるようにはなりましたよ」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇日本のピザは、焼肉やエビマヨなど、確かに独創的なトッピングが多いですね。いつかそんな日本発のピザが世界中で受け入れられる日がきたらいいなと願う調査員でした。