「島ネタCHOSA班」2015年9月3日[No.1585]号
去年の夏、糸満市の喜屋武郵便局前の広場近くの角で、「ドラゴンフルーツガリ」と書かれた看板を見かけ、あれは何だったんだろうと気になっています。ドラゴンフルーツ狩りができるのでしょうか?
(那覇市 ネコになりたい40代さん)
「ドラゴンフルーツガリ」!?
ド、ドラゴンフルーツ狩り?あの独特の形の実を自分で収穫できるんでしょうか? そもそも、ドラゴンフルーツってどんな木に実るの?
…などなど、頭の中が疑問で一杯になった調査員。まずは、基礎知識をおさらいすることから始めてみました。
ドラゴンフルーツは、中南米の熱帯雨林原産の果実。と、ここまでは容易に見当がつきますが、驚いたのはサボテン科の植物だということ。うーむ、サボテンの果実だったとは…。
でも、サボテンの木に実がなる、といわれても、どんな様子なのかなかなか想像がつきません。これは、実際に行ってみるしかなさそうです!
年に1回の開催
調べた結果、糸満市の喜屋武にある個人農園でドラゴンフルーツ狩りが行われていることが分かりました。聞けば、毎年8月末から9月上旬ごろ、わずか1週間程度の間しか行われていないのだそう。
開催時期は、その年の天候次第。しかし、運がよいことに、ちょうどドラゴンフルーツ狩りを始める数日前に取材の許可を得ることができました。
出迎えてくれたのは、仲間勝二さん。仲間さんは今年で80歳! 今も元気に畑の世話をしています。
「栽培を始めたのは8年前。実を取らせるようになってから今年で6年目だよ」。もともとは、水道設備の仕事に携わっていたという仲間さん。リタイアしてから農業を始めたそうです。
「ドラゴンフルーツは丈夫で手間がかからない植物。堆肥を入れて、草をとっておけばOK。農薬もいらず、全然虫もつかない。そのことを聞き、年を取ってもできると思って始めたのがきっかけ」と話します。「木は支柱にそって伸びるから、パイプを買ってきて全部自分で支柱を作った。苗を植えてから2年で実がつくよ」
破格の料金設定
ここで、畑に案内してもらうことに。着いてみると、500坪の広大な畑に、人の背よりわずかに低いくらいの支柱に沿って、一面のサボテンが!ところどころ、赤く熟した見事な実がなっています。
取材の日は、台風15号が過ぎた翌日。強風で実が落ちているのでは…と心配していた調査員。ですが、畑には実が1個も落ちていません。
「ドラゴンフルーツは台風にも強くて、実はもちろん、花も全然落ちないよ」。見ると、ところどころ花が咲いています。「午前中だけ咲いて、昼にはしぼむけど、咲くと月下美人みたいできれいだよ。花が咲いてから4週間ほどで花の根元の部分が大きくなって実になるよ」
肝心のドラゴンフルーツ狩りは、ハサミとカゴ、軍手を貸してもらい、自分で収穫するシステム。サボテン特有のトゲが心配ですが、慣れると刺されずに収穫できるようになるそうです。
びっくりなのは、その料金。入園料は200円、そしてなんと、収穫した実は1㌔100円(中が赤い実は200円)で持ち帰れるとのこと。まさに破格の料金設定です。
「せっかく作ったものを無駄にしたくないからね。1人では取りきれないから、皆に取らせているんだよ。もうけにはこだわっていないよ」
実がすべて狩られたら、期間終了。毎年楽しみにやってくる常連客もいて、開始から1週間ほどで終わってしまうそう。この紙面が刊行される時には、残念ながら終了している可能性も。レキオのツイッターで状況をお知らせする予定ですので、念のためお出かけ前にチェックしてくださいね!
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「ドラゴンフルーツガリ」は、来場者が多くすでに終了しております。来年をお楽しみに!