「島ネタCHOSA班」2015年9月10日[No.1586]号
先日、友人から、海ぶどうのアイスがあるという話を聞き、驚きました。しかも、とても上品でおいしいというのです。興味があるので、ぜひ調べてください!
(那覇市 紫の芋のひと)
海ぶどうがアイスに!?
う、海ぶどうのアイス!?
最近は、県産素材を生かしたアイスがたくさん出ていますが、よりによって海ぶどうとは…。だって、海藻ですよ。アイスになるなんて、とても信じられません。
ところが、調べてみたところ、海ぶどうアイスは実際に存在していました!
しかも、驚いたことに、6種類ものラインアップが発売されているようです。名前を挙げてみると「ソルティミルク」「ちんすこう」「シークヮーサー」「アセロラ」「パイナップル」「パッションフルーツ」。海ぶどうをちんすこうやフルーツと組み合わせ!? まったく想像がつきません。これはもう、製造元を直撃するしかありませんね!!
粒を練りこむ
というわけで、やってきたのは糸満市真栄里にある「海ぶどう農園のお店 ぷちぷち」。開発に携わった山城由希さんにお話を聞きました。
まずは、海ぶどうアイスを見せていただきましょう。もしかして、ショッキングな(?)見た目だったらどうしよう…、と若干の不安を抱きつつ、一番人気だという「ソルティミルク」のフタをおそるおそる開けてみた調査員。
しかし、目にしたものは、白いアイスクリーム。あれれ? 緑色じゃないんですね。
「房から外した海ぶどうの粒を、すりつぶさずにそのまま練りこんであるんですよ」と山城さん。なるほど、よく見ると、緑の粒がアイスの間に見え隠れしています。こうして見ると、海ぶどうがキャビアのようにも見えて、何だか上品でオシャレかも?
「粒を残して練りこむのは、手作業でなければできません。カップにも、一つ一つ手で詰めているんです」。そう聞くと、ますます海ぶどうの粒が輝いて見えてきます。
で、肝心な味はというと…。おいしい! 濃厚な風味のアイスに塩味がからみあい、絶妙なハーモニーを奏でます。さらに、海ぶどうのプチプチ感がアクセントとなり、思わずクセになりそうな味わい。
「海ぶどうの房をちぎって載せてもおいしいですよ」
なんと大胆な! でも、これがまた、おいしいんです。海ぶどうの塩味がアイスとよくマッチしています。
海ぶどうのプチプチした食感は、フルーツやちんすこうの風味とも好相性でした!!
プチプチの食感生かす
「開発したのは7年くらい前です。商品になりにくい茎つきの海ぶどうを何とか活用できないか、というのがきっかけですね」。そこで、フランス料理のシェフに、海ぶどうを使った料理のレシピをいくつか考案してもらったところ、粒をアイスに練りこむというアイデアが出てきたそうです。
「海ぶどうはふつう冷蔵庫に入れませんよね。冷やすという概念がなかったのでビックリしました。でも、とてもきれいな見た目に仕上がっていて、これはすごいということで商品化に取り組みました」
開発にかかった期間は1年半。「殺菌しながらプチプチした食感を残すという微妙なバランスに苦労しました。海藻の香りが強すぎてもおいしさに欠けてしまうので味の調整も難しかったですね」
味付けは、世界中の塩を試した結果、宮古の雪塩にたどり着いたそう。ミルクは宮平乳業の濃厚な味わいの原乳を使用。海ぶどうアイスのラインアップでは、一部を除くほとんどの素材に県産素材を活用しているとのこと。すてきですね。
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海ぶどうアイスは、道の駅いとまんの糸満市物産センター遊食来(ゆくら)、南城市地域物産館、わしたショップをはじめ、県内のリゾートホテルなどで販売しており、インターネットでも注文可能です。
海ぶどうの新たな魅力を知り、県産素材の無限の可能性に思いを馳せた調査員でした!
海ぶどう農園のお店 ぷちぷち
http://uminchiokinawa.shop-pro.jp/