「島ネタCHOSA班」2016年02月18日[No.1608]号
本部町に鉄道模型のあるカフェがあると聞きました。本当にあるのなら、一度行ってみたいです。興味があるのでどんなカフェか代わりに見てきてください!
(那覇市 鉄矢サイダーさん)
列車が走るカフェ!?
鉄道模型のあるカフェですか!? 路線電車が走っていない車社会の沖縄では、鉄道模型は珍しいですね。とにかく、そのカフェが実在するのか、調査しましょう。ネットで検索すると、本部町伊豆味にある「cafe gyutto(カフェ ギュット)」と判明しました。さっそく、現場に「出発進行」!
沖縄に鉄道模型?
伊豆味小学校近く、山あいの並木道を走っていくと「列車の走る森のカフェ」と書かれた看板を発見! レトロな渋い店を想像していたのですが、コンクリート造りのおしゃれな建物です。
中に入ると、「キターー!!」と思わず叫びそうになってしまった調査員。想像以上に大きいジオラマの存在感に驚いてしまいました。トンネルや橋、牧場、住宅が並ぶミニチュアサイズの世界を列車がスイスイと走っています。
調査員を出迎えてくれたのはオーナーの森下悦伸さんと奈美江さん夫妻。沖縄に魅せられ、東京から3年前に移住し鉄道模型をコンセプトにした同店を始めたそうです。
お2人は鉄道マニアだと思いきや、「息子が鉄道大好きだったというのがきっかけです。東京に住んでいた頃、鉄道模型のあるお店に息子を連れて行ったりしていて、面白いなと思っていたんです」と悦伸さん。
模型の全長は約5㍍。畳二畳分はあります。使用されているのは実物の150分の1サイズ、レール幅9㍉の「Nゲージ」と呼ばれる鉄道模型の規格。日本で最も普及しているタイプのようです。
このジオラマを1カ月かけて作ったという悦伸さん。「最初は窓際に客席を置くつもりでいたので、小さい模型にしようと思っていたんですが、息子の一声に押されて大きくなってしまいました」
初めての製作で、本やネットを参考に取り掛かり、部品は沖縄で手に入らず通販で購入したそうです。
「線路を組み合わせる途中で部品が足りなくなってしまい、追加注文をすると、沖縄だから注文してから3日待ち。そういうことが何度かありました」
足りなくなったから、お店に買い足しにってわけにはいかないですよね。沖縄ならではのエピソードです。
車両の持ち込みも
今ではうわさを聞き、鉄道模型を目当てに訪れる人もいるといいます。同店では有料で運転体験もできるそうで、「自分の模型(Nゲージ規格)を持ち込んで、走らせる人もいますよ」と悦伸さん。
えっ、「マイ車両」を持参ですか? 好きな車両をこの景色の中で走らせることができるなんてテンション上がりそう!
「先日来たアメリカ人のお客さんは、アメリカ型の鉄道模型を持ってきていましたよ」
その風景見たかったです! 鉄道模型を通しての国際交流なんて、ワクワクしますね。
日々のメンテナンスは必要なんですか?
「触るだけで脱線したり、ほこりで止まってしまうこともあるので、毎日クリーナーで拭いています」と悦伸さん。
そんなにデリケートなものだとは知りませんでした。電気で走っているので、汚れがたまると電流の通りが悪くなって動かなくなってしまうそう。あ、「触って遊べる電車のおもちゃは畳のお部屋にございます」と張り紙がありますが?
「この模型は触れないので、子どもは泣き出してしまったり、飽きてしまったりするんです。畳の間にプラレールを置いて実際に触って遊べるスペースを用意したんです。お子さんたちも喜んでくれますよ」と奈美江さん。
大人も子どもも模型を楽しめる心遣いがさすがです。
店名の通り、いろいろなものが「ぎゅっと」詰まったお店を満喫した調査員。ジオラマの世界と窓から見える本部町の緑豊かな景色に癒やされ、カフェを後にしたのでした。