「島ネタCHOSA班」2016年09月15日[No.1638]号
大学の卒論作成のため沖縄県統計課のHPを検索すると、「統計トピックス」が毎月発表されています。季節に合ったテーマで沖縄の実情が反映され面白く、レポート作成の参考になります。どんな人がまとめているのか知りたいです。
(マリさん)
統計で沖縄が見える!?
沖縄県の統計情報を提供している「県統計資料WEBサイト」を見てみると、ありました!
毎月発表しているようで、最新号の8月は食品の品目別ランキングを紹介しています。全国と比較した沖縄の食卓事情が分かって興味深いです。図表やグラフなどが使われていて分かりやすいのもポイント。
さっそく、県の統計課に直行。県企画部統計課の瀬長潔課長、松本早乃子さん、照屋芳乃さんに話を聞きました。
調査内容は多岐に
県統計課は、「国勢調査」や「経済センサス」などの各種統計調査の実施や分析などを行っているそう。統計結果は行政の施策や企業などの経営方針を打ち出す資料に生かされるなど、重要な役割を果たしているんです。
「統計トピックス」は誰が作成しているのですか?
「基本的には私が作成しています」と照屋さん。担当者は人事異動などで定期的に替わるそうですが、今年4月から担当になったといいます。
「まとめるには1週間以上かかります」という照屋さん。テーマも自ら決めているそうで、統計を調べたり、分析したり、表を掲載して見やすくしたりするなど手間暇かかっています。
統計課のHPでは2006年からの記事を見ることができますが、そのころから始まったのでしょうか?
「2006年に統計課のWEBサイトに載せはじめており、そのころに始まったと思われます」と瀬長さん。
そんなに続いているんですね。統計データから見える沖縄像について教えてください。
「出生率は全国トップですね。1人当たりの県民所得や最低賃金などは最下位。全国2位の婚姻率に比例するのでしょうか、離婚率は一番高いです」と松本さんは沖縄の特徴を話してくれました。
他にもデータを見せてもらうと、ハンバーガーや魚介の缶詰(シーチキン)、かつお節・削り節、豆腐、ニンジンの年間支出金額は全国1位です。沖縄の食文化を考えると納得です。
意外な結果はありますか?
「ミネラルウオーターやココアの消費が全国で1位です。ココアについては、あの『麦芽飲料』を飲んで育つ子どもが多いのかもしれませんね」と松本さん。
しかし、ココアまで統計を取るとは、調査項目の幅広さに驚きです。
「時代の変化とともにどんどん新しい調査内容も出てきます」と瀬長さん。
確かに、スマートフォンの普及率など現代ならではの統計もあります。その時代に必要なものを反映されているんですね。
65歳以上の割合は最下位
敬老の日が近いので、県の高齢者の統計を見せてもらいました。「平成27年国勢調査抽出速報集計結果」によると、65歳以上の人口は約27万9400人で、総人口に占める割合は19.7%。全国で最下位です。
「沖縄戦と終戦前後に出生が減ったので、65歳以上の割合が全国平均に比べて大きく下回っているのが特徴です。沖縄の平均年齢は42.1歳で全国で一番低く、子どもの割合は全国で一番高いです」と瀬長さん。
なるほど、歴史的背景を考えると理解しやすくなります。
次の調査予定はあるのですか?
「5年ごとに実施する『社会生活基本調査』が10月に行われます」と照屋さん。
仕事や家事、睡眠など1日の時間配分などを調査し、今後の政策などに役立てることを目的にしているそうです。
「統計調査員が選ばれた世帯へ伺うので、ぜひご協力をお願いします」と3人。
次の「統計トピックス」は9月末に発表予定だそう。今後は社会生活基本調査の結果も発表してくれるとのこと。どんな統計結果で沖縄の姿を浮き彫りにしてくれるのか今から楽しみにしている調査員なのでした。