「島ネタCHOSA班」2017年05月04日[No.1671]号
出張で座間味島に行った上司が、ヨーロッパからの観光客が増えていて、「歩けばヨーロッパ人に当たる」と言っていました。沖縄本島ではそんなに多く見かけないので、とても不思議です。ぜひその訳を調べてください。
(那覇市 ザ・マミーさん)
座間味村が欧州人に人気!?
座間味村がヨーロッパの観光客に人気だとは知りませんでした。何か理由があるのでしょうか。さっそく、座間味村観光協会に連絡し、観光事情を聞いてみました。
ミシュラン二つ星を獲得
座間味村はヨーロッパからの観光客が本当に多いのでしょうか?
「はい、座間味村は県内の他地域に比べ、ヨーロッパからの観光客が多いのが特徴です」と同協会の木村勝太さん。
送ってもらった資料を見ると、確かに県内の他地域に比べてヨーロッパからの観光客が多いのが分かります。
座間味村の2016年「入域観光客数」によると、座間味村の外国人観光客は1万5100人で、その約50㌫を占めるのが東アジアからの観光客、次いで多いのが約30㌫を占めるヨーロッパ。県の観光要覧によると、15年度の沖縄県全体の外国人観光客約109万2000人のうちヨーロッパからの観光客は約1㌫なので、座間味村の人気度が分かります。
外国人観光客が増え始めたのは「座間味村を含む慶良間諸島が国立公園に指定された2014年ごろから」と同協会係長の渡邉美喜さんは話します。そのなかでも、ヨーロッパの人たちはどのようなきっかけで座間味村のことを知るのでしょうか?
「ヨーロッパからの観光客は国立公園に指定される以前から多く来ていました。米旅行誌『ロンリープラネット』や、仏旅行ガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』などに掲載されたことがきっかけで口コミやSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)で情報を得ているのではないかと思います」(渡邉さん)
どちらも有名なガイドブックですよね。観光地を格付けで紹介している「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では、09年に座間味島と古座間味ビーチが二つ星に選ばれたそうです。それはヨーロッパでの影響力が大きいはずです。
「ケラマブルー」のとりこに
座間味村に行ったことのあるヨーロッパ人に直接話が聞きたくなった調査員。探していると、座間味好きのフランス人が学会のために来沖しているという情報をゲット。これはチャンスということで、その人に話を聞いてきました。
質問に答えてくれたのは、フランス出身のオリビエさん(37)。現在東京の大学で准教授として働いています。
座間味村に行ったことがあるそうですが。
「僕が初めて行ったのが6年前。今まで、6回行きました」
それは、かなりのリピーターですね。どんなきっかけで行き始めたのですか?
「座間味村に行った僕の友人が感動したというので、行ってみたくなったのがきっかけです。1人で行ったり、友人と行ったり、大体3〜5日の日程でステイします」
初めて訪れたときに「ケラマブルー」の透き通る青い海のとりこになってしまったというオリビエさん。「あんなにきれいな青い海を見たことがなかった」といいます。
座間味村ではどんな風に過ごしているのですか?
「僕の目的は何にもしないこと。ただ自然に身を置き、ゆったりとした時間を過ごします」
島の雰囲気もお気に入りのようで「昔ながらのお店や食べ物も好きだし、人もとても温かくて親切な人ばかり。都会に住んでいると、島の暮らしは不便と思うこともあるかもしれないけど、僕にはそういうところも価値があるんです」というオリビエさん。何でもいつでも手に入る都会から離れて自然に戻れる大切な場所だといいます。
「僕にとってはここは秘密基地。この自然が守られてほしいし、本音を言うとこれ以上有名になってほしくないです」とオリビエさん。座間味への思いが伝わってきました。
世界に誇れる美しい海のある沖縄。今回改めてそのすばらしさに気付かされた調査員でした。
「海の色が信じられないほどすてきでした!」