「島ネタCHOSA班」2017年07月27日[No.1683]号
夏休みに子連れで行けるスポットがないかな〜と思っていたら、県内で「忍者ショー」をやっているらしいという話を聞きました。どんな感じなのか、ぜひ調べてほしいです。
(那覇市 獅子丸さん)
残波岬で琉球忍者ショー!?
調査員も子どもの頃、忍者にあこがれて、忍者ごっこをしていましたよ。そのおかげで(?)、今でも原稿の締め切り間際に雲隠れの術を使うのは得意です。 と、それはさておき。調べたところ、忍者ショーは読谷村の残波岬で行われている模様。何はともあれ、見に行ってみましょう!
沖縄の忍者が活躍
というわけで、残波岬を訪れた調査員。会場は、残波岬公園内に設置された劇場「レキオスシアター」。毎週金・土・日の夜7時15分に開演とのことで、沈みゆく夕日を浴びつつ、劇場に向かいます。
出迎えてくれたのは、ショーを手がける株式会社アシビ・エンタープライズの代表取締役、當山浩さん。
「ショーのタイトルは『「琉球忍者ショー 新・治金丸(ちがねまる)伝説』です。ストーリーは、琉球王国の歴史を記した『球陽』に基づいています」と當山さん。
忍者ショーといっても、日本ではなく沖縄が舞台なんですね。期待がますます高まります!
驚いたのは、観客の多くが外国人であること。さまざまな国の子どもたちが、目を輝かせて開演を待っています。
観客参加型のステージ
照明が落ち、いよいよ開演。さっそく、ステージに忍者が登場!
ストーリーは、琉球に伝わる伝説の宝剣「治金丸」をめぐり、空手の始祖といわれる京阿波根実基(きょうあはごんじっき)、阿麻和利忍者、護佐丸忍者の集団が争いを繰り広げるというもの。
外国人の観客にも分かるようセリフはありませんが、空手や棒術など、琉球の古武術の要素も取り入れたアクションや、キレのあるダンスがぐいぐいと観客を劇の世界に引き込んでいきます。
忍者たちの息遣いが聞こえてきそうなほどステージが客席から近いのもポイント。時には、忍者が客席まで降りてきて、観客を巻き込みながら物語が進行します。
劇の中には、観客の投票によって忍者の勝敗を決めたり、誕生日の子どもを演者たちがお祝いするシーンもあり、いつしかステージと客席の間に不思議な一体感が生まれていました。
ショーを見た沖縄市の金城れんた君(6)は、「かっこよかった。攻撃がすごかった!」と満面の笑顔。母親の金城まどかさんも「大人も楽しめるショーで、よかったです!」と話してくれました。
終演後、演者の皆さんに話を聞いたところ、なんと、平均年齢は21歳と判明! 多くは地元・読谷村の出身で、将来は舞台で活躍したいという大きな夢を持った若者たちです。
空手や棒術の演技は、古武道の経験を持つメンバー・玉城祐貴さんを中心に、自分たちで振り付けを考えていったそう。うーん、頼もしい!
ショーに出演していてうれしいのは「外国人の観客からワーオと歓声が聞こえた時」(知花輝さん)、「観客からリアクションがあった時」(當山京さん)。「劇中で勝っても負けても観客が喜んでくれるのでうれしい」(當山遼さん)と、観客の反応がやりがいにつながっているようです。
一方、「観客によって反応が変わってくるのが難しい」(比嘉健雄さん)、「手探りで演技を模索することもある」(渡久地雅斗さん)など、苦労することも多いとか。
ショーは外国人の間で人気が広まっていますが、「有料なのがネックになっているが、もっと地元のお客さんにも見にきて来てほしい」と當山浩さん。
読谷発、沖縄ならではの要素も満載の忍者ショー。県民で応援していきたいですね。