「島ネタCHOSA班」2017年11月09日[No.1698]号
国道330号ライカム交差点を北に少し進んだところに「トゥクトゥクファクトリー」というトゥクトゥクの専用整備工場を発見しました。興味があるので工場について、そしてトゥクトゥクについて調べてください。
(宜野湾市 ツクツク帽子さん)
県内にトゥクトゥク整備工場!?
トゥクトゥクといえば、タイの名物、三輪タクシーですよね。那覇市の国際通りで停車中のトゥクトゥクを見掛けたことはありますが、専用の整備工場が県内にあるとは初耳です。さっそく沖縄市のトゥクトゥクファクトリーを訪ねてみました。
タイの工場で現地研修
出迎えてくれたのは新井幸正さん。工場では作業着姿のもう一人のスタッフがトゥクトゥクの整備中です。ジャッキで車体を持ち上げて作業をする光景はトゥクトゥク以外、自動車整備工場で見る光景と変わりません。
トゥクトゥクファクトリーは、沖縄でトゥクトゥクのレンタル・販売を展開している「沖縄トゥクトゥク株式会社」が運営する整備工場。なんと、トゥクトゥクのみを扱う専用整備工場は日本で唯一だそう。現在2人の整備士が常勤しています。
整備工場ができたのは約1年前。恩納村と那覇市の営業所の中間地点に輸入した車両の置き場を探していたところ、この拠点を見付けたそう。「作業スペースとしても使えるということで、この場所を工場として使用するようになりました」
もともと車の整備士だったという新井さん。整備する上で、普通の車とはだいぶ違うのでしょうか?
「トゥクトゥクは車とバイクの中間のような乗り物。自動車整備の経験があれば、大体は分かります」と新井さん。確かにハンドルはバイクのような形、ブレーキやアクセルは車と同様に足で操作するようになっています。
「それでも最初は、タイの業者にお願いして、現地の工場でやり方を学びました。現地には町工場のような小さな工場が多数あり、車種によって勝手が違うので何箇所も行きました」
部品などは国内でまかなえるのでしょうか?
「半分半分ですね。エンジンやタイヤなどは車の部品で代用できますが、ボディーなどのパーツは今のところ、タイに買い付けに行っています」
「利用者から『こういうのがあったらいいね』という意見があれば、なるべく反映できるように努めています」と新井さん。
これまでに鍵付きの物入れを取り付けたり、固定式の運転席を前後に調整できるようにしたりなど、リクエストを取り入れてきたとのこと。
確かに国が違えば事情も変わってきます。日本で親しまれやすくなるよう改良しているのはポイントが高いですね。
普通免許で公道も走行可能
普通車免許で運転できるというトゥクトゥク。「弊社で扱っているのはほとんどオートマチック車なので、AT限定の免許があれば大丈夫です。車やバイクと同じように公道を走れますよ」
イベントでの貸し出しも行ったり、パーティーや生年祝い(トゥシビー)でレンタルする人がいたり、沖縄の特撮ドラマ「琉神マブヤー」シリーズに登場したりと、目にする機会も増えてきたトゥクトゥク。
乗った後「すごく楽しかった」という声が多いそうです。「初めは恥ずかしさが勝っているのですが、帰りは歓声を上げながら皆さん笑顔で帰ってきます」と新井さん。
トゥクトゥクのレンタル事業は県外ではほとんどなく、同社は沖縄本島だけでも現在10台以上の車両をそろえているといいます。宮古島と石垣島にも事業所をオープンし、県内で楽しめる場所も増え続けています。
レンタル料金は4人乗りで1時間3480円(免責補償費別)。今後さらに広まりそうなトゥクトゥク。専用整備工場はそんなユニークな乗り物の安全をサポートしてくれる頼もしい存在ですね。