「島ネタCHOSA班」2018年10月04日[No.1745]号
沖縄県の子どもたちを体力テストした結果、走ることが苦手な傾向が見られる反面、ボール投げは全国トップクラスだという話を聞きました。なぜなのでしょうか。詳しく調べてください。
(那覇市 週末アッチャーさん)
沖縄の子どもは投力抜群!?
8日(月・祝)の体育の日を前に、ぜひとも調べてみたいテーマですね。さっそく調査を始めてみましょう!
走るのは苦手?
調べたところ、県の保健体育課が県内の子どもの体力テストの結果を把握していると判明。というわけで、同課健康体育班 主任指導主事の古賀義之さんのもとを訪ね、話を聞くことにしました。
「まずはこれを見てください」。古賀さんが持ってきたのは、国のスポーツ庁が小学5年生・中学2年生を対象に毎年1回行っている「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果が書かれた用紙。
平成29年度の結果にざっと目を通してみると…。なんと、小5男子のソフトボール投げ、中2男子のハンドボール投げの順位が全国1位! 女子も小5で9位、中2で2位と、投力のテストでは全国トップレベルの結果を誇ります。
ただし、8種目平均は、小5男子41位、小5女子43位、中2男子35位、中2女子44位と低い位置にあります。とりわけ走力は低調で、20㍍シャトルラン、50㍍走は小5、中2男女ともに、いずれも35位以下。上体起こし、反復横とびなど、持久力(筋持久力)が必要な種目でも、全国最低レベルという残念な結果となっています。
さらに、県においては、運動をする子ども・しない子どもの二極化が顕著だといいます。
「小5、中2男女ともに、運動を全くしない子どもの割合が全国平均より0・7〜2・0ポイント上回っています」
逆に、特に小学生において、運動を長時間行っている子どもの割合が多いのも県の特徴。週に420分以上運動を行っている子どもは小5男子で全国平均から7・1ポイント、小5女子で6・5ポイントも上回っているとのこと。「これは部活動が原因でしょう。また、肥満児の出現率が高く、小・中ともに全国平均を上回っているというデータもあります」と古賀さんは解説します。
車社会の影響も
では、このような傾向の背景には何があるのでしょうか。
あくまでも推測ですが…と前置きしつつ、走力・持久力の低さについては、歩く習慣との関連を指摘します。
通学方法の調査結果によると、小5男女の徒歩通学の割合は全国ワースト。反対に路線バス・電車・自家用車での通学割合が高く、小5・中2の男女ともに全国1位・2位を独占しています。車社会の影響が子どもたちの体力にも影響を与えているのでしょうか。
投球の能力の高さについてはどうでしょうか。これについて、古賀さんは「おそらく、県内では野球やハンドボールがさかんで、子どものころから投球に慣れ親しんでいるのが要因ではないでしょうか」と考察します。
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「子どもたちの運動能力を改善するため、県ではさまざまな取り組みを行っています」と古賀さん。その中の一つが、家族で週に3回・30分以上を目安に運動を行う「家族で挑戦! がんじゅうアップチャレンジ330運動」。夏休み、冬休みに県内の全小中学校にカードを配布し、家族みんなで運動に取り組んでもらう試みを行っており、各学校でこの取り組みが広がるのを期待しているとのこと。
「そのほか、小学校で体育指導を専門に行う体育専科教員を配置することで、体力テストの体力総合評価がいちじるしく改善しています」。今年度は全県で6校に配置されているそうですが、今後、配置校を増やしていきたいとのこと。
子どもたちの手本となる大人も、車に乗ってばかりいないで、ちゃんと運動しなければと反省した調査員。体育の日には、久々に体を動かしてみたいと思います!