「島ネタCHOSA班」2019年01月24日[No.1761]号
数年前、那覇市の平和通りへ行ったら夕方ごろラジオ体操をしている人たちがいてびっくり! そのとき初めてうちなーぐちのラジオ体操を聞きました。いまでも平和通りで体操をしている人たちがいるんでしょうか?
(西原町 ミラクルさん)
平和通りで夕方のラジオ体操!?
ラジオ体操といえば朝のイメージがありますが、夕方というのは珍しいですね。調査員も平和通りのラジオ体操については聞いたことがあるのですが、現在も行われているのでしょうか? それでは調査開始です!
東北に元気を送ろう
那覇市平和通り商店街振興組合に電話すると「ラジオ体操はいまもやっていますよ」とのこと。詳しくお話を伺うため同組合の専務理事・矢野弘子さんと、平和通りにある「島の絵ギャラリー画楽洞」店主の髙安修さんを訪ねました。いったいどういう経緯でラジオ体操は始まったのでしょうか?
「以前、市場本通りでギャラリーをやっていました。そのときに東北の大震災が起こって、日本全体が自粛ムードになり寂しい気持ちになったんです。そんなときに、悲しいときこそみんなで笑い合い賑やかにして活力を見い出そうとした小那覇舞天さんのことを思い出しました。それで、震災から少し間をあけて慰霊の日の翌日から市場本通りでカチャーシーを踊り始めました。すると近所のお店や通行人の方々が一緒に踊ってくれたんです」
髙安さんは沖縄から東北に元気を送ろうと、舞天さんのまねをして奥さんと2人で踊ったそうです。
「そのとき、初めにラジオ体操をしてからカチャーシーをやったほうがみんな踊りやすいんじゃないの? とアドバイスをくれる人がいました」
なるほど、それでラジオ体操を始めたんですね。
「そのあと髙安さんのお店が平和通りに移ってきたときに、ある人からいただいたうちなーぐちのラジオ体操のCDが楽しかったんで『このCDをかけてやりましょう!』と髙安さんに言いました。それから平和通りでのラジオ体操が始まって、もう6年続いていますね」と矢野さんは話します。
良いリフレッシュに
ラジオ体操は毎日4時ごろに行われるとのことで、調査員は後日その時間に平和通りへ向かいました。4時になると「はいさい、ぐすーよーちゅーうがなびら…」と髙安さんの上手なうちなーぐちが通りに響きます。続いてうちなーぐちのラジオ体操の音楽が流れると、商店街の方々があちこちからおもむろに出てきて体操を始めるではありませんか!
動作の大きい人、ちょっと恥ずかしそうにする人、中には店内で控えめに体を動かす人もいますが、おおむね皆さんたんたんと体操をしていらっしゃいます。通行人は驚いたり、笑ったり、無表情の人もいたりで何だか不思議な光景です。
ラジオ体操が終わるとカチャーシーの始まり…ですが踊る人は少ないですね〜。体操はするけど踊るのは恥ずかしいという照れ屋さんが多いようです。
時には観光客も一緒になって体操をしたり、中国人の観光客は珍しがって写真や動画を撮ったりするそうですよ。
平和通りで「ながはま化粧品」を営む長浜さんは「最初は照れくさかったけど、体がほぐれるからいいですね」といい、衣料品などを扱う「ショップハピネス」の仲宗根さんも「この時間は疲れが出やすいから、良いリフレッシュになる」と笑顔を見せます。また、アクセサリーショップ「IRIE LINKS(アイリーリンクス)」で日々細かい手作業をする安田さんは「職業柄、肩が凝るので積極的に体操をして体を動かすようにしています」と話してくれました。
最後に、髙安さんと矢野さんは「市場は元気ですよ。皆さん遊びに来てくださいね〜」と声を揃えます。誰でも参加OKのラジオ体操。ぜひ、皆さんも買い物がてら参加しませんか?