「島ネタCHOSA班」2019年04月04日[No.1771]号
この春、転勤で浦添市内に引っ越しした者です。浦添市には、彫刻など、公共の空間に設置されているアート作品が多いと聞きました。興味があるので調べてください!
(浦添市 ニューカマーさん)
浦添市の街はアートが豊富!?
ほほう、浦添市に引っ越しされたのですね。新しく住む街が、アートいっぱいだったら確かにうれしいですよね。ぜひ調査しちゃいましょう♪
公共の場に多数の作品
とはいえ、どこに行けば作品と出合えるか分からない調査員。まずは手がかりを得ようと、浦添市役所でお話を聞くことにしました。
ここでさっそく、作品との出合いが! 市庁舎の正面入口前に、巨大な現代彫刻が設置されています!!
彫刻といっても人物像ではなく、コンクリートブロックと金属素材を組み合わせた作品。題名は「中間航路」、作者は能勢孝二郎さん。ブロックで海原を大胆に表現した造形が力強い印象を与えます。
そのほかにも、市庁舎には外壁や1〜5階の吹き抜けや屋上にいたるまで、ユニークな造形の現代アート作品があり、浦添市がアートの街であることを印象づけます。
「浦添市は、1984年から本格的な都市景観行政に取り組み、1990年からは地域の施設整備に要する経費の1㌫を確保し、市民に利用される施設にレリーフ(浮き彫り)や彫刻などを設置する『1パーセント文化事業』を行っていたという経緯があります」と浦添市役所 都市建設部 美らまち推進課 景観まちづくり係 課長の古堅功さん。その結果、浦添市には、公共の場所に多数のアート作品が設置されるに至ったのだそうです。なるほど!
散歩がてら作品を鑑賞
古堅さんから、浦添市内には、あちこちにアート作品が点在していると教えてもらった調査員。その中でも、最も多くの作品が集中するスポットに足を運んでみることにしました。
その場所は、てだこホールと美術館が並ぶ浦添カルチャーパーク。てだこホールバイパス側の壁面に、巨大なシーサーがデザインされていることはよく知られていますが、カルチャーパーク周辺エリアには、このシーサーをデザインしたゴヤ・フリオさんの作品が多く置かれています。曲線を立体的に組み合わせた軽快でどこかユーモラスな造形が魅力。
運動公園通りを横切り、市陸上競技場へと足を伸ばせば、市庁舎の前にあった彫刻の作者・能勢孝二郎さんのレリーフのほか、二本足で立つ人間の姿を力強く抽象的に表現した上江洲由郎さんの彫刻「一歩一歩」も。
市陸上競技場から市民体育館(ANAアリーナ浦添)へ向かう道すがらにもモニュメントが設置され、市民体育館の近未来的な造形もあいまって、ちょっとした未来都市のようなムードが満喫できます。周辺をぐるりと1周するといい運動になるので、日頃の運動不足解消にもいいのではないでしょうか。
最後に、浦添市には生活に溶け込んだすてきなアート作品もあることをお知らせしておきましょう。市内44カ所に設置された住居表示案内板はそれぞれ形が違っており、それ自体がユニークなアート作品となっているのです(作者は能勢裕子さん)。
今回、浦添市内を歩き、浦添の街並みの魅力にあらためて気付かされた調査員。アート作品に加え、並木が整備された歩道も多く、心豊かな気持ちになれました。今回紹介した場所以外にも、浦添市の街角には、多くのアート作品が飾られています。皆さんも、ゆったり散策してみてはいかがでしょうか。