「島ネタCHOSA班」2019年08月01日[No.1787]号
「地面に車が刺さっているんです!」。週刊レキオ編集室に、ある日、こんな電話が。いったいどういうこと!? 島ネタCHOSA班、出動です!!
地面に車が刺さっている!?
いったいどんな状態なのか見当もつかない調査員。事故によるものではないようなのですが…。
電話主からの話によれば、場所は豊見城市名嘉地交差点のそば。さっそく見に行ってみましょう!
お店の看板!?
口伝えで聞いた情報をたよりに、名嘉地交差点から県道231号線を那覇空港方面に少し進み、ファミリーマートのある路地を左折。
「このへんかな?」と思いつつ、車を走らせていると…。ん? 視界の隅に何やら巨大な赤い物体が…。
こ、これは…!?
本当に、庭先の地面に、赤い車が文字通り突き刺さっています! ええ〜っ、どういうこと!?
脇見運転・急停車は危ないので、少し先から引き返して、現場に戻った調査員。あらためて近くで見ると、ものすごい迫力です。ボンネットと前輪の半分ほどが地面に埋まっており、車体はおよそ傾斜30度ほどの角度で斜めに刺さっています。ひえ〜、す、すごい!
見ると、車の奥に事務所らしき建物が。調査員は、詳しい話を聞こうと、事務所のドアを開きました。
出迎えてくれたのは、いたずらっぽい笑顔の男性。「あのー、庭の車についてお聞きしたいのですが」と申し出たところ、快く対応してくれました。
面白いことがしたい!
男性のお名前は、金城克彦さん。中古車・新車販売、レンタカー事業を手がける「ホリデーオート」、レッカー事業を手がける「沖縄レッカーサービス」業の代表取締役とのこと。
ん? 車関連のお店ということは、もしかして…。これって、一種の広告ですか?
「はい。今年の1月、那覇市具志の店舗から引っ越ししてきました。前の店舗では、この赤い車を屋根の上にオブジェとして展示していたんですが、こちらではどうしようかと思って。何か面白い方法はないかと考え、地面に刺したらどうかと考えついたんです」
設置はどのように行ったんですか?
「地面にユンボで穴を掘り、クレーン車で車を吊り上げて差し込みました。車体はショックアブソーバーのバネの力で支えています」
車体の重量やバネの反発力を計算し、車体を支えられる深さを見極めて設置した、と金城さん。セメントなどの流し込みは行ってないにもかかわらず、強力なバネの力で車体がカッチリはまっており、一度雨で地面がゆるんで調整したほかは、動いたことはないそう。台風については「ワイヤー等での対策を検討中」とのこと。
車の種類はビートル。ウイングポルシェタイプという特殊な形だそうで、「わかる人が見たらもったいないと思うかもしれませんが、この車じゃないと面白くない」と金城さんは笑います。なおエンジンは動かず、中のオイルは環境に配慮して抜いてあります。
通りすがりの人々も皆驚き、いろいろな人がやってきて写真を撮っていくケースも多い、と金城さん。
設置の一番の動機は「絶対どこもやっていないこと、面白いことがしたい」という遊び心。金城さんは「普通のことだと面白くない。人生楽しく生きないと」と笑い、「今後は、バイクも設置したいと思っています」と展望を語ってくれました。これからも目が離せませんね。
* * *
写真撮影は自由ですが、安全のため車体に手を触れることはNG。また、手前の路地は交通量が多いので、急停車や脇見運転にはぐれぐれもご注意を!