「島ネタCHOSA班」2020年02月20日[No.1815]号
恩納村で「幻の味ブルース」というお菓子が販売されていると聞きました。幻の味って!? 興味があるので調べてもらえませんか?
(那覇市 Y・M夫さん)
「幻の味ブルース」って!?
「幻の味ブルース」!? なんとも不思議なネーミングです。
しかし、「幻の味」と言われると、ぜひ味わってみたくなりますね。そして「ブルース」の意味は一体!?
独特の食感が魅力
調査の結果、「幻の味ブルース」の販売元は恩納村のサーターアンダギー専門店「琉球銘菓 三矢本舗」だと判明。おや、サーターアンダギーのお店なのですね。ということは、幻の味ブルースは、サーターアンダギーのようなお菓子なのでしょうか? 調査員は、はやる心をおさえつつ、恩納村役場の前にある三矢本舗恩納店のへ向かいました。
出迎えてくれたのは、取締役専務の前泊知佳さん。お店のカウンターの前には揚げたてのサーターアンダギーが並び、店内に甘〜い香りが漂います。
ところで、幻の味ブルースはどこに…と思い店内をぐるりと見渡すと…。
ありました! 店内の一角に、「幻の味ブルース」というシールが貼られたお菓子のパッケージが並べられています。
あれれ、でもサーターアンダギーではありませんね。四角くて、パンやカステラのような形をしています。一見、よくある菓子パンのようにも見えますが、なぜ幻の味と呼ばれているのでしょうか?
しかし、すぐ答えを聞いてしまっては面白くありません。まずは、実際にいただいてみることにしましょう。
サイズは小さなお弁当箱ぐらいありますが、表面の切れ目にそってカットしていくと、ほどよい大きさに。
では、いただきま〜す! ん? これは…。なんともいえない不思議な食感。スポンジの表面はふんわりとやわらかく、しっとりとしているのですが、もっちりとしたかみ応え。やわらかさともっちり感、両方を楽しめるというなんとも不思議なお菓子です。
卵ベースの生地はどこか昔なつかしい、ほっとする風味。表面の溝に塗りこめられたカスタードクリームが甘い余韻を残します。
名称の由来は…
「幻の味ブルースは、今は亡き先代が20年以上前に作ったオリジナルの焼き菓子です」と前泊さん。先代とは創業者の一人であった前泊博希さん。
「もともと先代はパン屋で、『ヌーベル』というお菓子を作ろうとしていたところ、材料の配合を失敗して、たまたまできたのだそうです。偶然生まれたので『幻の味』というのが由来です」
ええ〜っ、そうなんですね(笑)。では、ブルースというのは?
「当時の従業員が試食してみたら、あまりのおいしさに踊りだしてしまったそうです。先代はブルースソングも好きだったことから、歌と踊りをかけてブルースと名付けたようですよ」
幻の味ブルースは、発売当初はあまり反響がなかったものの、関西のテレビ番組で紹介されたことをきっかけにブレイク、さらにネットの口コミや催事への出品などを通して次第に知名度が上がっていったといいます。
「おみやげでもらって好きになり探しに来られる方もいらっしゃいますね。県外の方も多いですよ」
幻の味ブルースは、三矢本舗恩納店、おんなの駅 なかゆくい市場店ほか県内5店舗で販売。おんなの駅 なかゆくい市場店では、数量限定で製造時の切れ端を集めた「ブルースの耳」も販売しており、売り切れ続出の人気商品となっているそうです。
偶然から生まれた幻の味。ふわふわ、もっちり、しっとりな食感を、皆さんも味わってみてくださいね。