「島ネタCHOSA班」2020年09月23日[No.1846]号
島どうふチップスというスナック菓子があると聞きました。いったいどんなお菓子なのか、どこに売っているのか知りたいです。
(那覇市 豆腐じょーぐー)
島どうふチップスって、どんなお菓子?
島どうふチップス? インターネットで調べてみると、黄色い袋に入った「島どうふチップス」がありました。製造者は「株式会社あかゆら」と記載されています。それでは調査開始です!
研究重ね試行錯誤
宜野湾市にある株式会社あかゆらへやってきました。対応してくれたのは代表取締役社長の姜斗連(かん・どぅりょん)さん。韓国の貿易会社で沖縄支店長を務めていた人ですが、商売の楽しさを知り、起業したそうです。
島どうふチップスは平成26年度に宜野湾市推奨特産品として認定され、同市商工会長賞も受賞。平成28年度には沖縄県推奨優良県産品優秀アイディア賞を受賞したとのこと。
島どうふチップスができた経緯を伺いました。
「最初は高齢者施設に総菜を提供しようと、県産の食材でつくだ煮を作りました。販売拡大のため営業もしましたが、個人でやっているような小さな会社では難しいかなと思いました」
姜さんは、考えていたものとは違うと軌道修正し、回転率の高いものは何かと市場調査を始めました。
「スーパーへ行くと、温かい豆腐を待っているお客さんがいました。豆腐が来た瞬間に手に取る様子を見ていたら、あぁ、豆腐で何か作ったら需要は高いかもしれないと思ったんです。『常温で、水っぽくなくて、乾燥していてどこでも食べられるような豆腐のお菓子』だったら絶対成功すると思い、それから1年間考え、試作しました」
当時、アイデアなどをつづったノートは16冊ぐらいあるといいます。
「これ、おいしいよ」
「豆腐以外の材料は何にしようかと考え、夜に家で試作していましたが、朝起きるとそれがなくなっていました。子どもに聞いたら、『テレビ見ながら無意識に全部食べちゃった。お母さん、これおいしいよ』と言われて」。それからというもの自信を持ってさらに研究を重ね、ようやく島どうふチップスが誕生しました。
付き合いのあったJAファーマーズマーケットの店長に食べてもらうと、「おいしいから売ったらいいんじゃない」と勧められ、まずはマーケットのイベントで販売。そのころはまだ袋のデザインさえできておらず、とりあえずビニール袋に「島どうふチップス」と書いたシールを貼っただけでした。しかし思った以上に売れて、会社には「どこで売ってるの?」「注文したい」などの電話が殺到しました。
大手航空会社から、機内販売したいとのオファーもありましたが、残念ながら、手作りだったため大量には作れず断ったといいます。
その後、工場の設備投資をし、3年かかってようやくオリジナルの機械を導入。現在、島どうふチップスはサンエーやイオン、かねひでなどで販売され、来月からはローソンにも置いてもらう予定だとか。
さて、気になるお味ですが、黒ゴマ、ピリ辛、アーサ塩、チーズ胡椒の4種類があり、それぞれに個性があっておいしい! 軽い口当たりのパリパリ食感で、油っこくないのがうれしいです。
◇ ◇
石垣島出身の夫と結婚したことが縁で、沖縄に来た姜さんは「沖縄に貢献するために雇用を生むことと、地元の食材を使って、県民の健康のために無添加で作ることが私のできることだと思っています」と話してくれました。来年初めには新商品も出す予定だといいます。楽しみですね!
株式会社あかゆら
宜野湾市大謝名2-16-8
☎098-898-6708