「島ネタCHOSA班」2021年01月21日[No.1863]号
うるま市のデイサービス施設内でスナックを開店するといううわさを耳にしました。いったいどういうこと? 気になってしかたがないのですが…。
(宜野湾市 チーママ)
デイサービス施設がスナックに!?
デイサービスといえば、介護を必要とする人が、日帰りで利用できる介護サービスのことですよね? その施設内でスナックを開店するとは驚きです。
依頼主に確認すると、どうやらその施設はうるま市大田の「デイサービス リブ」だそうです。さっそく電話すると、デイサービスの利用者がスナックのママになるとか? とりあえず開店日時を聞き、おじゃますることに。
着物姿のママ登場
某日夕方、「デイサービス リブ」を訪れると、職員が入り口で「スナック 勝江」と書かれた看板を立てていました。ママは勝江さんという方なんですね? まだ準備中でしたが、別の職員に促され施設に、いや、スナックに入ると職員たちがおつまみやドリンクを用意していました。とてもアットホームな雰囲気のスナックです。
しばらくすると、着物姿のママ・金武勝江さん(82)が登場。立ち居振る舞いに品が感じられ、入り口でお客さまをお迎えする姿も様になっています。お客さまは同施設や関連施設の職員と勝江さんのご家族の皆さん。お客さまをテーブルに案内し、注文を聞いたり、ビールをついだりとずいぶん慣れた様子です。それもそのはず、勝江さんは約25年間、スナックを営んでいたそうです。
利用者の夢かなえる
それにしても、なぜこの施設でスナックを開店するのか職員にお聞きしたところ、利用者の夢をかなえる「LIB for success(サクセス)」というプロジェクトの一環だといいます。
同施設の生活相談員・平田洋子さんは、「勝江さんは『もう一度スナックをやってみたい』と普段から話していて、その夢をかなえてあげたいと思いました」と話します。そこで「一夜限りのスナック」開店に向け勝江さんを支援し、日々のリハビリや料理の練習など頑張ってもらいました。ちなみに平田さん、この日はチーママとして勝江さんに寄り添っていました。
お話によると、勝江さんは認知症で「施設に出勤していると思っているようです」とのこと。普段から他の利用者に、食事を運んであげるなど何かとお世話しているそうです。きっとスナックのママとして、常におもてなしをしていたからかもしれませんね。
当日は勝江さんの次女・佐々木あゆみさんも娘や孫を連れ「スナック 勝江」に来店。東京在住の勝江さんの次男・金武立次さんもちょうどいいタイミングで石垣出張があり、勝江さんの晴れ姿を見に来ることができました。あゆみさんは「母の夢をかなえてもらってありがたい」、立次さんは「ここまで盛大に、とは思わなかった」と話し、職員に感謝していると口をそろえます。
勝江さんに夢を実現した気持ちを伺うと、「うれしいですね。若返った気持ちです」とすてきな笑顔を見せてくれました。お客さまをもてなし、カラオケでは美声も披露した勝江さん。調査員も仕事を忘れ大いに楽しませてもらいました!
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やりたいことを諦めず、利用者が前向きになることで生き生きとし、元気になるプロジェクト。今度は誰がどんな夢に挑戦するのでしょうか。陰ながら応援したいと思った調査員なのでした。