「島ネタCHOSA班」2021年08月19日[No.1893]号
沖縄に嫁いで2年ですが、塩せんべいはどうやって食べたらいいですか?
(うるま市 Natsuさん)
塩せんべい、どう食べる!?
ほほー! 塩せんべいですかー。手についた塩をなめながら食べる感じがたまらないですよねー。
思い出の味
まずは北から! 国頭村出身で沖縄県司法書士会副会長の上原修さんに話を聞くべく、司法書士法人「ロアック浦添」オフィスを訪れてみました。
「私は昔、実家の隣が駄菓子屋さんだったんです。親戚やいとこが旧盆や夏休みに帰省したら、よく買いに連れて行ってくれて。その時に塩せんべいも一緒に。初めて食べたのは、小学生に上がる頃だったんじゃないかなぁ。チョコなどをかけて食べましたよ」と、ニヤっ。
聞くと、上原さんは学生時代、学校帰りに自転車で塩せんべいなどのお菓子などを買いに行って、友達と海岸線や空き地でおしゃべりしながら食べていたとか。
「私は辺土名高校出身ですが、学校にプールがなくて、体育の時間は目の前の海で泳ぎました(笑)。イノシシやハブともよく遭遇していたし、田ウナギやドジョウ、川エビを捕って遊んだなぁ」と豪快に笑いながら、たくさんの地元話を聞かせてくれました。
ピザやアイスにも
お次は、整理収納アドバイザーチーム「沖縄片付けLabo(ラボ)」の新垣さやかさんとご主人の新垣有矢さん。ともに那覇市出身です。
「よく食べていたのは、小学生低学年の頃までですかね。一銭まちやぐゎーのあのオレンジのフタの透明の箱から1枚取り出して買ったんじゃない〜?」と、楽しそうに話します。有矢さんは瓶のサンサンジュースなどと一緒に食べていたそうで、さやかさんは、大人になってからは「酒のつまみ」!
今回の取材のためにわざわざ思い出の塩せんべいとチョコを手に入れてくれた新垣さん夫妻。調査員も、初めて塩せんべいにチョコをかけて食べてみましたが…チョコの甘さと塩の相性がうまいっ!
* * *
最後は、希少といわれる手焼き塩せんべいを作る創業46年の「丸吉塩せんべい」(那覇市)。のうれんプラザ1階にある直営店を訪れ、取締役部長の新田崇太さんに話を聞きます。
こちらでは塩せんべいほか、塩せんべいを作る時に残った部分を使った「天使のはね」や、塩せんべいと玄米にキャラメルソースをからめた「フロランタンアイスクリーム」、「ピザせんべい」など、軽食やスイーツにも塩せんべいの材料がたくさん使われていて、ビックリ!
「私たちは先代が大切に守ってきた伝統の味とはやりの要素を両方大切にしているんです」と、新田さんは笑顔。現在、4つの手焼きのかまと共に塩せんべいを作っているそうですが、かまは現存する沖縄最古の型に近いそうで、かまの調子によっては人間の手で粉の量を変える必要があり、機械の製造メーカーがほとんどいなくなるなど、製造を続けるのは至難の業と話します。
それでもてぃーあんだーならではの食べた時の小麦の匂いがたまらず、熟練の手技が光る「手焼き」が止められない、と新田さん。「毎日のように来店されるお客さまや、スーツケースいっぱいに買って帰る観光客など、お客さまは本当にさまざま。ぜひ料理の生地にしたり、家庭料理に使ったりと、いろんな食べ方でいろんな人に食べてほしいです」と目を輝かせます。
―これから先、アナタは塩せんべいをどうやって食べる?!
新田崇太さん