「島ネタCHOSA班」2022年01月06日[No.1913]号
数年前、南城市の畑に立つユニークなかかし家族を新聞で知り、見にいったことがあります。ふと、今現在はどうなっているのか気になったので調査してくれませんか。
(北谷町 たかしのかかし)
「かかし家族」の現在の様子は!?
そういえば、かかし家族の話題が新聞に載っていましたよね。さっそく過去の琉球新報を調べてみると、2017年の3月12日と8月31日に掲載されていました。改めて見ると、本当にユニーク。8月の記事には、パラソルを広げて家族でバーベキューを楽しむ様子がうまく表現されていました。さて、一躍有名になったかかしたちはいまもあの場所にいるのでしょうか? 今回は、昨年12月に調査したリポートをお届けいたします。
数が増えた!
南城市玉城屋嘉部にやってきました。確か、玉城小学校の近くだったはず。えーっと、たぶんこのあたりに…。あっ、いました! クリスマスバージョンのかかしたちが。しかも人数が、いや、かかし数が増えている。さらに、ほとんどのかかしたちがこっちをジーッと見ていて、なんだか照れくさいというか、怖いというか…。
調査員が見たときは、ここに和気あいあいの風景が広がっていたのに、見ない間にシュールとでもいうのでしょうか、不思議な雰囲気が漂っています。でも調査員はこの感じ、嫌いじゃありません。むしろ大好きです! ではさっそく、こちらの畑所有者で製作者の當山喜邦さんにお話を伺いたいと思います。
かかしは全部で何体ですか?
「初めのころは7体。いまは倍以上です」。数えてみると、現在は18体。結構、増えましたね。
「以前は年中かかしを置いていましたが、暑い時季は洋服が日に焼けて色があせるので、いまは9月から3月まで置いています」。なるほど。色あせた服は見た目にもよくないかも。
「雨の日はかっぱを着せてあげないと2年ぐらいで、体の中に入っている太い針金なんかもさびてしまうんですよ。だから毎日、雨の確率が何㌫なのか天気予報を見ています」。いろいろと気を使っているんですね。
元仕立て職人の手で
かかしを作り始めたのは、大分へ旅行した際にかかしがいっぱい田んぼに立っていたのを見てから。服は家族が着なくなった古着などを利用しています。実は當山さん、30年も紳士用スーツの仕立て職人として働いていたので服作りはお手のもの。最近ではフリーマーケットへ行くのが楽しみで、かかし用に200円〜300円の安い服や靴を買うことも。かかしの頭部は100円ショップで売っていたものを使い、女性のかかしにはペンキの口紅も塗ってあげています。優しいですね。
かかし作りを始めてからこれまで、多くの人が見にきて写真を撮ったり、中には古着や人形などを持ってくる人もいたり、ときどき声を掛けられることもあります。そのおかげで友達が増えたそうですよ。
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年が明けたらお正月ムードの装いに替えると話していた當山さん。いまごろ、畑には正月気分が抜けきれないかかしたちが立っているかも?