「島ネタCHOSA班」2022年03月31日[No.1925]号
奥武島に魚料理の買える自動販売機があるのを知っていますか? かわいい絵が描かれていて写真映えもするんですよ。どんな経緯で設置されたのか気になるので調査してみてください!
(宜野湾市 マーガリンちゃん)
アイデア店主が手がける! 魚の自販機
県内各地にユニークな自動販売機が増えていますが、今回の依頼は海産物ですか。どんな商品があるか楽しみです。早速、見に行ってみましょう。
ということで南城市の奥武島にやってきた調査員。美しい海を眺めながら島の道路をゆっくり走っていると、ありました! カラフルな絵の描かれた自動販売機です。「魚(うお)めし屋」という海鮮食堂の前に設置されていますよ。
島の海産物を販売
調査員が店を訪れた日に自動販売機で売られていたのはトビイカ、干しイカ、魚フライ、イカスミ汁などなど。いずれも冷凍での販売です。
「自販機の中身は定期的に入れ替わるけど、なるべく自分たちで用意した季節のものを補充しているよー」
そう教えてくれたのは「魚めし屋」店主の平良綾乃さん。 島内で「たいら鮮魚店」も営んでおり、旦那さんはイカやマグロを専門とする漁師です。自動販売機の商品は、島で水揚げされ、平良さんらが加工・調理したものが中心なんですよ。魚フライやイカスミ汁は、おうちで解凍し、簡単な調理をするだけで、お店の味が楽しめるのも魅力です。
平良さんが自動販売機を導入したのは昨年11月。コロナ禍の影響で非接触型のレジを探していたところ、業者の方が持ってきた業務用機器のカタログで自動販売機を発見。「レジどころじゃないわ! これがいい!」とひらめいたのだとか。導入後は、干しイカの販売から始め、商品レパートリーを増やしていったそうです。
自動販売機には、話題性を狙って、ペイントを施すことも考案。絵を手掛けたのは、高校生アーティストの稲嶺瑠琳さん。平良さんの娘さんがクラスメートだった縁で依頼をしたんですって。魚介類や店名をポップなセンスで描き、お店の目印としてもわかりやすく仕上がっています。最近では、前で記念撮影をしSNSでシェアするお客さんも多いそう。
走る刺身屋さん!
アイデアいっぱいの平良さん。奥武島産のアーサやモズク、夏場にスク(アイゴの稚魚)が取れればそれも、と自動販売機で売る商品についていろいろ考えているようです。また、県外に自動販売機を設置して「内地でイカスミ汁を売る」という構想もあるのだとか。
それだけではありません。調査員に「初公開だよ」とお披露目してくれたのは、軽トラックを改造した冷蔵車。こちらも稲嶺さんのペイントが施され、自動販売機と統一感のある見た目になっています。車後方のドアを開くと刺身屋さんで見かけるようなガラス張りのショーケースが登場。お客さんは目で見て商品を選ぶことができます。
冷蔵車の本格的な稼働はまだ先ですが、平良さんは県内を周っての出張販売を考えているそう。「走っている車に合図すると停車して魚が買える」という焼き芋屋さんのようなスタイルですよ。近い将来、あなたの街にやって来るかも!
季節の海の幸を独自のアイデアで楽しませてくれる平良さん。奥武島を訪れる際は、ぜひ、お店に寄ってみてくださいね。店前の自動販売機は24時間利用できますよ。
〈店舗情報〉
魚めし屋
南城市玉城奥武196
070-5693-1255