「島ネタCHOSA班」2023年03月02日[No.1973]号
北谷町砂辺に新しくできた古本屋さんが気になっています。外国 のバスを改装したお店ということだけは分かるのですが、詳しい調査 お願いします!
( 浦添市 右耳にミニにきび)
バスを改装した古本屋さん!?
昨年 11 月にオープンしたブ ックパーラー砂辺書架(しな びぬしょか)さんですね。イン スタグラムでは、開店前から お店が出来上がる様子を投稿 していて、調査員も気になっ ていたところです。さっそく お話を聞きに北谷町にある砂 辺書架に向かいました。
89年式のスクールバ
調査員を迎え入れてくれた のは、砂辺書架店主の畠中沙 幸さん。
畠中さんは北谷町砂辺出身 の一児のお母さん。「将来は沖 縄に還元できるようなことが したい」という思いを胸に海 外の大学を卒業後、東京で勤 務。 21 年に、出産とコロナ禍を 機に帰郷しました。
「沖縄と子どもと本を組み合 わせたことをしたくて、選択 肢はいろいろあったんですけ ど、昔移動パン屋さんとか好 きだったことを思い出して、 そこで移動本屋みたいなのも いいかも、と」と畠中さんは振 り返ります。
自分で運転できるような小 さな宅配車を想定していた畠 中さんのもとにやってきたの は、アメリカのスクールバス が売りに出されているという 知らせでした。
「スクールバスと本屋さんっ て親和性良いなと思って、直 接見に行って、一目ぼれでし た」
バスは、キュートなイエロー が特徴的なアメリカ産の 89 年 式スクールバス。畠中さんが 購入する前までは、教会の送 迎バスとして利用されていた といいます。
バスが現在の本屋さんのか たちになるまでおよそ2 カ 月。アンティークの良さが残 るよう、通路に使われていた 鉄板は壁掛けの文庫棚に、バ スの座席は椅子に再利用して います。
なんと、バスは今でも走行 可能だそうですよ。
新たな交流の場として
昔から子どもと本が好きだ という畠中さん。店内には絵 本や図鑑、沖縄関係の書籍が 数多くあります。
「子どもが生まれてから分か ったんですけど、絵本とか児 童書って意外と高くて。それ にすぐボロボロになるんです よね。子どももわざとじゃな いと思いつつ、内心『あんなに 高かったのに……』ってなる こともあるので。その点、古本 だと比較的ハードルが低く、 出合うチャンスも増えて、少 しでも子どもの『好き』が増え ると楽しいかな、と思います」
本棚を見ると、キャラクタ ーものの絵本から、読み聞か せにうってつけな児童書まで さまざま。なかには市場に出 回っていない沖縄の絵本など も取り扱っているといいます。 「『せっかく沖縄に住んでい るから、子どもに沖縄のこと を知ってほしい』という方が 購入していく」のだそう。
砂辺書架を「本屋さんっぽ くない本屋さん」と話す畠中 さんの今後の目標は「地域の 交流の場や、多文化・多世代 の交流の場にする」こと。
「平日はまだそんなに多くな いんですけど、週末は世代も 全て入り乱れるんです。それ がとても楽しくて。子どもた ちが遊んだり、初対面の人同 士が一冊の本を挟んでお話し ていたりして。お互いが楽し く楽になれる空間になってい ます」と畠中さんはにこやか に話してくれました。
砂辺書架では、ほとんど毎 日新しい本を入荷しているそ うです。本も人も、その出会い は一期一会だなあ、としみじ み思った調査員。北谷町に新 しくできた黄色いバスの本屋 さんは、本や人が自由に行き 交う停車場のようなお店でし た。
ブックパーラー砂辺書架
〒904-0111 中頭郡北谷町字砂辺44
(時間) 12:00~16:00
( 休) 日・月・火