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[No.1983]

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「島ネタCHOSA班」2023年05月11日[No.1983]号



 知人から浦添に「うらそえ織」という地産の絹織物があるということを 教えてもらいました。興味があるのですが、どんな織物か見に行って教えて くれないでしょうか。

 (那覇市 おかいこさん)

「うらそえ織」が体験できる施設!?

 調べてみると、浦添市の伊 奈武瀬に「うらそえ織」を作っ て展示販売している「浦添市養 蚕絹織物施設 サン・シルク」 という建物があることが判明。 行ってみましょう!

なぜ浦添で絹織物?

 国道 58 号を那覇から北上し、 安謝交差点を左折。6分ほど で左手に那覇港新港ふ頭が見 えてきたら、もう少し直進し て右折、「ホテルモーリアクラ シック沖縄」方面へ。2分ほど 直進すると見えてくる「いな んせ会館」の後方に「サン・シ ルク」を発見。

 建物は、1Fがうらそえ織 の商品を展示販売する「ショ ップ」で、2Fは機織りの職人 さんが作業する「工房」。ショ ップをザッと見渡すと、うら そえ織のストラップやポーチ、 ネクタイ、名刺入れ、シャツ、 ショールと、うらそえ織の商 品がズラリ。

 工房ではうらそえ織協同組 合の代表理事・親富祖幸子さ んがお出迎えしてくれました。

 「浦添市は無農薬の畑が多い ので、桑を栽培して、天然の桑 の葉を食べた蚕のまゆから糸 を引いて(取って)、絹織物を 作っているんです。桑の葉は 栄養価が高くお茶もつくれま すし、桑の実ではワインも造 れるんですよ」と、にっこり。

 蚕は卵からふ化して3日目 までは「1令」といい1〜2㍉ の小さな蚕だそうですが、 25 日ぐらいすると「5令」の7〜 8㌢の大きさの蚕に成長する とか。蚕の種類によっても異 なるようですが、蚕は頭を8 の字に揺らしながら糸を吐き、 自分のまわりにおうちとなる 「まゆ」を作るそう。

 「調査員さん、まゆの『マン ション』と呼ばれるものを見 たことありますか? 蚕は上に 登る習性があるので、自分で 登っておうち(部屋)を見つけ て糸を吐いて、まゆを作るん です」と、まゆを触らせてくれ ます。

 調査員がびっくりしたのは、 蚕はまゆを完成させるのにお よそ2〜3日で約1100〜 1400㍍の糸を吐くこと。 蚕の小さい体から1㌔㍍以上 の糸が出てくるなんてすごい。

太陽の絹に思いを

 次に「うらそえ織」について 聞いてみました。

 「うらそえ織のデザインは浦添の歴史伝説から『2人の女 性』をモチーフにしています。 1人は舜天王の母、もう1人 は尚寧王の王妃。いにしえの 女性の愛・芯の強さ・育む力 を3本の糸で表し、浦添市の シンボルでもある『太陽』が輝 きを放って未来へと導く意味 が込められています。合計4 本の糸(ライン)がうらそえ織 の特徴だと、ようやく浸透し てきたかなと思います。まだ まだ試行錯誤中なので、今後 も違う柄は登場してくると思 います」と、親富祖さん。

 サン・シルク管理事務所所 長の真栄城孝文さんは「僕は 浦添市役所を定年退職後にこ ちらに来ました。織物の歴史 や昔の人々の生きる力に触れ られる施設なので、総合学習 にもとても良い施設ですよね」 とコメント。

 工房では、スタッフが機織 りをする心地よいリズムが響 きます。機織り研修生の女性 は「ここに見学に来たとき先 輩方に『機織りは長く続けら れる仕事だよ』と教えられ、生 涯の職の選択の一つとして研 修を受けています」と笑顔。

 工房は年間を通して誰でも 見学OK。「はた織り体験」も 常時実施中。初心者向けには コースター(千円)としおり(8 百円)、中級・上級者向けはシ ョール(2万円)。養蚕体験や 夏休み子供体験、糸引き出前 講座も。

 デジタルな世の中だからこ そ、手作りが愛おしい。沖縄の 昔の人々が紡いだ知恵と温か さに今だからこそ触れたいと 思った調査員なのでした。



〈問い合わせ〉
浦添市養蚕絹織物施設「サン・シルク」管理事務所
☎098-943-3469



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「うらそえ織」が体験できる施設!?
真栄城孝文さん(左)
親富祖幸子さん(右)
「うらそえ織」が体験できる施設!?
工房ではコースタ ーなどのはた織 体験ができます
「うらそえ織」が体験できる施設!?
浦添市の養蚕絹織物 施設 サン・シルク
「うらそえ織」が体験できる施設!?
蚕がつくったまゆで絹の糸を作る
「うらそえ織」が体験できる施設!?
蚕がまゆをつくる「マンション」
「うらそえ織」が体験できる施設!?
工房は常時見学OK。各機器を 借りることも可
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