「島ネタCHOSA班」2024年03月21日[No.2028]号
お茶は飲むものと思いきや、浦添市の特産品である島桑(シマグワ)の桑 葉茶はもはや健康志向の食材だとか。桑葉茶料理の最近のレシピが知り たいです。
(那覇市 チャーナトガー)
食べるお茶? 島桑葉茶のレシピブック!?
そもそも浦添市の桑葉茶 は「うらそえ織」養蚕事業の 桑栽培を担う浦添市シルバー 人材センターが見いだした付 加価値の産物。
「てだ桑茶」と名付けられ たその浦添市特産品を地元 の「NPO法人あきみよ(代 表理事棚原洋子)」が9年ほ ど前から、食べるお茶に転化 して普及活動を続けていま す。今回、桑葉茶料理のレシ ピブックを発行したと聞いて 取材しました。
味も彩りも健康も
まずはNPO法人あきみ よ。なぜ、てだ桑茶を食材に 捉えたのか―。同法人のプロ フィルをひもときましょう。
「2 0 1 2 年に食、工芸、 琉球伝統芸能の専門家たち が古き良き郷土の生活文化、 歴史を掘り起こす志をもって NPO法人を設立しました」 と、調理師資格を有する代表 理事の棚原さん。同年、シルバ ー人材センターが県工業技術 センター、国立沖縄高専から なる研究グループの協力を得 て、てだ桑茶の焙煎茶タイプ・ パウダータイプを地域密着型 商品として販売。無農薬栽培 100%シマグワの葉から、 食物繊維、カルシウム、ビタミ ンB2など高い含有率を分析 しています。
14 年、棚原さんは市民大学 でてだ桑茶に出合うのです が、特産品として十分に認知 されていない課題に気付きま す。その解決策を卒業研究の テーマとして「地域ブランドの 構築」を発表。キャッチフレー ズは”味も彩りも健康も桑に 任せる暮らし上手“ と銘打 ち、NPOの強みとする食育 事業を展開していきます。
NPOの食育事業
「公民館での料理講座や、 浦添市社会福祉協議会の広 報誌でレシピ情報を発信する など、桑葉茶の食育事業を立 ち上げた 14 年、われわれの NPOに食育のエキスパートを 迎え入れました」と、棚原さ ん。調理師仲間で国際薬膳食 育師の新屋敷奈津子さんが 副理事として参加しました。
17 年に同NPOが主催し たシンポジウムで、新屋敷さ んはレシピ開発者として登 壇。「食べるお茶レシピ」をテ ーマに培った料理技術を発表 する大役を果たしました。 同シンポジウムでは研究機関 からシマグワの食後の血糖値 上昇抑制効果も報告され、 話題を呼びました。
これら桑葉茶料理の普及 活動が実を結んだ令和5年 度の「URASOE・桑レシ ピブック」発行。「旧暦の暮ら しの節目を知らせる季節風 に、レシピを織り交ぜて、”う らそえ流・食のカタチ“の体 験ができるよう、ページをつづ りました」と、編集意図を語 る棚原さん。
レシピは旧暦をたどって、 三月菓子、6月の桑茶グリー ンカレー、中秋の桑茶だんご、 11 月のトゥンジージューシー、 12 月のムーチーなど、主菜か ら副菜、スイーツ、万能調味 料の桑こうじまで 26 種を掲 載。「中でも桑茶パウダータイ プを練りこんだコシのある桑 茶そばは、ぜひ作っていだた きたい」と、新屋敷さん。
調査員も今度の日曜日は、 レシピブック片手に、桑茶だん ごを作ってみようかしら―。
「てだ桑茶」販売
株式会社沖縄美健販売
浦添市伊奈武瀬1-7-2
℡098-943-0623
レシピブック
問い合わせ
NPO法人あきみよ
℡090-9472-4414