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[No.1359]

  • (土)

「レキオスメール」2011年04月14日[No.1359]号

多くの人の善意に胸熱く

多くの人の善意に胸熱く(2011年04月14日掲載)

東日本大震災で被災された方々に多くの支援が寄せられています。アメリカにお住まいのカーティエイ・弘枝・渡具知さんも友人たちと一緒に義援金を募り、少しでも力になろうと頑張っています。



 東日本大震災の被害の様子はここ米国でも連日テレビ、ラジオで流れています。地震が発生した3月11日の朝(日本では夕方)、私はいつものようにパソコンで日本のニュースをチェック、地震速報の活字が目に入ったものの、その後まさかあそこまで大きな被害をもたらされる事になるとは思いもしませんでした。 その後、テレビをつけると、津波の映像、崩壊された町や村など愕然となる映像が何度も繰り返し流され、主人の家族、親戚、そして友達から、「OKINAWAのあなたの家族は大丈夫?」と頻繁にメールが届きました。

 「私の故郷は南なので大丈夫です」と即、返事をしましたが、私が今住むペンシルべニア州も私が沖縄にいる頃は知りませんでしたから、ここに住む米人に沖縄と言ってもピンとこないのも無理はありません。

 ただただ、あの大惨事に人として、心を痛め、心配してメールをくれたのでしょう。 その後、しばらくして、在米日本人の仲間からも「あなたの家族は大丈夫でした?」と一斉メールがあり、日本にいる家族の安否の確認をし合いました。同時に、寄付金をどこの機関にした方がいい、どこの団体がいいだの、情報をやり取りしました。あまりの衝撃に、ひとりでは考えることができなかったのでとても助かりました。

 地震があったあと、米国では日本への電話料金が1時間無料になったり、NHK国際テレビではしばらくは加入していなくても無料で視聴ができるようなりました。毎日被災状況に言葉を失っているところに「隣町の日本人たちが立ち上がって募金活動をしている、私たちもやりましょう」と友達からメールが届きました。

 なんでも、ショッピングセンター内で、子供たちが寄付を呼びかけ、折り紙で鶴を折り、お礼に渡しているとのことでした。その結果、正午から午後6時までで日本円で55万円が集まったそうです。義援金を寄付した方々が、大きな日の丸に励ましのメッセージを書いてくれたり、と国境を越えた善意に胸が熱くなりました。

 ひとりひとりの力は小さいけれど、みんなが集まればこんなに大きな愛になるんだと感動しました。この義援金が被災者の絶望が希望の光りに変わる事を願ってやみません。私も3月26日の土曜日に参加しました。新聞やラジオで呼びかけようという提案もあり、さらに多くの義援金が集まり、被災地へ届く事を期待したいと思います。

 そして大切な親族、友人を亡くされた方、これまで積み上げてきた財産、家屋を失った方、放射性物質の恐怖に脅かされておられる方々、謹んで心よりお見舞い申し上げます。       (カーティエイ・弘枝・渡具知)

多くの人の善意に胸熱く
日本への思いを込めて募金を呼び掛ける参加者
多くの人の善意に胸熱く
手作りの日の丸に書き込まれたメッセージ
多くの人の善意に胸熱く
ご当地インフォメーション

 3月25日の募金活動には米人と結婚してここに移住してきた方、駐在でいらしている方がご家族で参加してくださりました。2時間ずつ割り当てをしたのですが、皆さん、自分の時間をオーバーして協力して下さりました。

 昨日、集計が出た結果、私たちが参加した日は、日本円で72万円になりました。募金箱に義援金を入れる際、日本で地震があって、今、大変な事になっているのと子供にちゃんと写真を見せながら寄付をしていく親子がとても印象的でした。

皆さんの記憶が薄くなる前にさらなる募金活動を続けようと話も出ています。

プロフィル

カーティエイ・ヒロエ・トグチ=1962年生まれ。那覇市出身。米国人のご主人と結婚後、西海岸のシアトル暮らしを経て、現在はペンシルベニア州イーストン市在住。5人の子どもを抱えるママ。保育の実務経験があり、長男、次男、三男をホームスクールで育て上げ、高校、大学へと進学させた。

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