「表紙」2011年04月21日[No.1360]号
お仕事燃焼系 魅ちびけ!インストラクター16(2011年04月21日掲載)
神秘な海中散歩へ案内
ダイビング 秋山貴史さん
青い空と青い海でダイビングを楽しみたいと、県外や海外から多くの観光客が沖縄に足を運ぶ。本島のダイビングスポットとして名高い北谷町の宮城海岸(通称、砂辺)。季節を問わず、マリンスポーツに興じる人々の姿が海に彩りをそえる。この海をフィールドに、ダイビングインストラクターとして活躍する秋山貴史さんも、青い海に誘われた一人だ。
受講生のやる気引き出し 海の素晴らしさを伝える
「勝ち負けのないスポーツをしたいと思ったんです。学生時代、柔道とスキーをしていたんですが、勝負にこだわる余り疲れちゃいまして。観光ついでにダイビングも面白そうだな、と始めたのがきっかけでした」
快活に話す秋山さんは、東京都台東区浅草出身。江戸っ子気質な、無駄のない語り口調が印象的だ。やんちゃな幼少時代を送ったのかと想像するも、意外にも教育家庭に育ったという。
「小学生の頃から塾の掛け持ち、家庭教師までついていましたから、勉強が嫌いで嫌いで。その反動か中学では横道に…(笑)。高校で柔道を始めるまでは、スポーツとは無縁でしたね。大学に進学してからは、夏はサーフィン、冬はスキー、またアルバイトで旅行添乗員をしていたので、日本全国津々浦々飛び回って過ごしました」
大学卒業後は、サービス業でマネジメント職に就いた。
「外食産業の会社で、店舗運営全般を担当していました。仕事のやりがいはありましたし、対価にも満足していました。それでも、何か満たされない思いが積もっていったんです」
損得の計算ではなく、自分の思いに従ってみようと考え、独立に踏み切った。
「好きなことを仕事に、そして自分の能力でできること。それがダイビングショップだったんです。場所は八丈島か沖縄で迷っていたのですが、アルバイト添乗員の頃の”沖縄に行けなかった“という思いが強く残ってたので(笑)、思い切って沖縄に行くことを決めました。南部と北部にはすでに、PADIコースディレクター資格を持つインストラクターの方がいらっしゃったので、中部で開業しようと。PADIの上位資格に挑み、自分のスキルを上げてゆくことに夢中でした。やはり、海に潜って経験値を上げることで、インストラクターとしての自信が持てますし、質の高いサービスを提供することが出来ますから」
秋山さん講習の元、ダイビングインストラクターの登竜門的資格、IDCインストラクター資格の認定を受けた方々は現在123名に上る。
「インストラクター開発コースは講習期間が長いのですが、”もう終わりなんですか?“という言葉がもらえると、嬉しさと安堵の気持ちでいっぱいになります。受講生のやる気を引き出すよう、的確なアドバイスをするのが私の役割だと考えています。方法論としては、子育てに似ていますね」
秋山さんは、現在小学6年生の息子さんを持つ、シングルファーザーだ。
「子育てで唯一決めている事は、自宅で弁当や惣菜を出さないということ。料理は趣味と言ってもいいくらいです。息子はなぜかキッチンで勉強をしたがりますね。調理中の音を聞いていると、落ち着くらしいです。男は胃袋を掴めっていいますから、掴んだんでしょうね(笑)」
小・中学校の講演会で話し手を務め、海の清掃活動に参加するなど、地域活動に積極的だ。 「息子が小学校に通うようになって、子どもたちに海の素晴らしさを伝えたいな、と思うようになりました。ダイビングは年中できますので、海の中に四季を感じるんです。同じスポットでも季節によって異なる景色を見せてくれますので”海は生きているんだよ“と、伝えたいんです。陸上では感じられない、潜って見る沖縄の海の素晴らしさ。一人でも多くの人にそれを見てもらい、楽しさを共感していきたいですね」
秋山さんが経営するダイビングショップ「セリシャスクラブ」は、北谷町の宮城海岸近くにある。体験ダイビングからインストラクター開発コースまで、ダイビングを楽しみたいすべてのニーズに合わせ、プログラムを提供。少人数制重視で随時開催している。
■セリシャスクラブ 北谷町宮城1-104TEL098-926-0282
http://www.celsiusclub.com
編集・狩俣美奈子/写真・三上一行