「表紙」2016年01月01日[No.1601]号
「猿」起(えんぎ)がいいさぁ〜
明けましておめでとうございます。今年の干支は申(さる)。さる年生まれは、よく動き回り、愛きょうがあって話術に富み、人に好かれるタイプが多いとか。それならば、当然のごとく表紙に登場したのは、「泉&やよい」の2人。さる年生まれの泉さんは、「小さい頃から漫才師になりたかった」という夢をかなえて27年来の相方、やよいさんと太身・細身の対象的なコンビで笑いを誘います。面白おかしいうちなーぐちを強みに人気再沸騰中の年女に、さらに「猿」起で一役買って出たのが沖縄こどもの国の人気ザル・マンドリル「茶吉(ちゃきち 雄 16歳)」。春から縁起がいいようです。
うちなーかば〜ぷんぷんさせて再ブレーク!?
「あいえーな〜ありがとうございますぅ」
1988年、知念高校出身の泉さんと西原高校出身のやよいさんは沖縄キリスト教短期大学に同期入学。誕生秘話があったり1年の遠回りがあったりして偶然が重なり、出会うべくして出会った2人は最高の漫才コンビに成長する。
やよい お嬢様大学といわれたあの「キリ短」初の推薦枠で入学した私たちだったよねぇ。
泉 学園祭をきっかけにみんなの前でお笑いをやるようになったね。私は小さいころから漫才師になるのが夢だった。
やよい 沖縄の祖国復帰20周年の2、3年前、沖縄ブームが起きたころやさ、短大の同級生を通じて紹介されたんですよ。NHK「これが僕らのウチナー口だ!」という特番に出演したとたんマスコミから注目されたよねぇ。
泉 卒業後「笑築過激団」に入ってテレビ・ラジオ・舞台・祭りのイベントの仕事をいただき目まぐるしかった。
やよい 当時は、たらんぬーでよかったさー。仕事を依頼されたら、できるかどうか考えるはずでしょ。「あいえなー、やらんとー」って変な責任感があって。怖いもの知らずだったさー。 社会に出たてで、20歳そこそこのわらばーの私たちに結婚披露宴の司会をさせてくれたよね。あのころの人たちに会って「にふぇーでーびたん」と、あらためて頭を下げたいですよ。
泉 好きなお笑いを仕事にできて本当にありがたいです。
やよい 泉ちゃんは、スケジュール通りの時間運びをキッチリする方だよね。ネタは2人でゆんたくしながらね。私は台本があるのは苦手で形が決められていると緊張する。枠にはめられると苦しくなるさぁ。
泉 やよいは、仕事となったらもう一変する。しっかり、キッチリ構成を担当して舞台を仕切っている。琉球舞踊も長く続けているね。
やよい 上の子が2歳の時に始めたので、15年ほどやっている。まだまだ精進しないと。泉は営業がうまいよね。飲みのお付き合い担当。
泉 食べる、飲むのが趣味だから実益を兼ねているってば!。だから体重増加に拍車がかかってさー。
やよい あい、今年はなに年かしら?
泉 私の年ですよ。数え49歳、どうしますか。結婚させてくださーい! 結婚式の司会をすると、新郎・新婦が結ばれたきっかけに「共通の友人を介して」ていうのが多い。なんでうちは共通の友人いないのかね。いないよねぇ。
やよい アンタ、共通の友人から探さないといけないよね。えり好み?
泉 こう見えても面食いよ。でも、新年からレキオの表紙に出させていただいて、これは「嘉例ー(かりー)」ですよ。「猿起(えんぎ)」がいいね!
地域で育ったからこそ知る人とのつながり、慣れ親しんだうちなーぐちを強みにした2人。27年来、立ち位置はブレることがない。
やよい 27年間皆さまが私たちを見捨てずにいてくれたおかげです。うちなーかばーをぷんぷんさせて親が使っていたうちなーぐちをあえて使いたい。私たちはうちなー芝居の役者でもなく、本土に見られるお笑いでもない。沖縄のお笑い仲間が本土で頑張っているね。私たちは本土には行く理由がなかった。あえて昭和のにおいを意識してやっているし、「ハイカラー」「ちゅうやハワイやさ」の意味を聞いて感動した。素晴らしい。この言葉をなくしたくないね。
泉 音楽にポップやロックがあるように、お笑いにもいろいろな形があると思う。本土で活躍する人たちを沖縄県代表と思って心から応援している。小学生のころ漫才ブームがあって、漫才師にあこがれました。漫才が好きなんですよ。やよいと漫才をもっとやりたいな今年は。
やよい あらためて立ち位置見直して、支持して下さる人を裏切らないよう、一生懸命頑張るしかないね。
泉 せっかくのさる年、ものまねに挑戦しようか。
プロフィール
泉&やよい1988年沖縄キリスト教短期大学時代に「泉&やよい」を結成。卒業と同時に細身とぽっちゃり系のお笑いコンビとしてプロ活動を開始。独特のうちなーぐちで人気を得る。やよいさんは96年お笑いコンビ「ゆうりきや〜」の城間祐司さんと結婚。2児の母。現在、テレビの帯番組、ラジオ番組、CMなど、第二のブレーク期を迎えて活躍中
協 力:沖縄こどもの国 帯と着物の店 我喜屋
モデル:泉&やよい 「茶吉」(マンドリル)
※特別な許可をもらって撮影しています