沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1607]

  • (金)

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「表紙」2016年02月11日[No.1607]号

母娘燦燦

母娘燦燦 — おやこ さんさん — 44



新里 るみ子さん
幸喜 若菜さん(2003ミス沖縄)
池田 麻衣子さん(2009ミス沖縄)
新里 由香さん(2016ミス沖縄)

美は「自分磨き」

 県の観光PRや親善交流を担う観光親善使節として毎年選出される「ミス沖縄」。幸喜若菜さん(32)、池田麻衣子さん(30)、新里由香さん(28)の3人は、全員が歴代のミス沖縄に選ばれた美人姉妹だ。だが、持って生まれた容姿だけではミスは務まらない。ファッションやメークはもちろん、洗練された立ち居振る舞いを身に付け、知性や教養を高めていく努力も不可欠だ。「美は自分磨き。表も中身も磨けば、女性はより美しくなれる」と3人の母、新里るみ子さん(59)は話す。3姉妹は、母ゆずりの美貌に磨きをかけ、自分を輝かせる努力を続けている。



「ミス沖縄」通して成長

 長女の幸喜若菜さんがミス沖縄に選ばれたのは2003年。「20歳になる前に何かに挑戦したい」との思いからの応募だった。

 半ば思い出作りの気分だったが、若菜さんは見事にその年のミス沖縄に選出。学生生活を送る傍ら、観光PRのため県内外、国内外を忙しく飛び回ることになった。

 「ミスというと、ちやほやされるというイメージがあるかもしれませんが、実際にやってみたら苦労の連続ですよ」と若菜さんは笑う。県の観光親善使節の役割を担うミス沖縄には厳しい研修が課され、言葉遣いやマナーはもちろんのこと、沖縄の歴史・文化についての知識を身に付けることも要求されるのだという。

 「仕事中は立ちっぱなしで体力も使います。翌日は歩けなくなることもよくありましたね」。それでも、大人になるためのステップと思い必死で頑張った。この時の経験と努力が、客室乗務員になるという夢をかなえるために役立った、と若菜さんは話す。



不屈のチャレンジ精神

 二女の池田麻衣子さん、三女の新里由香さんも姉の後に続く。だが、道のりは平坦ではなかった。2人とも、2度の落選を経験。しかし、めげずにチャレンジを続け、ともに3度目にして、ミス沖縄の座を獲得した。

 麻衣子さんは、「専門学校を卒業後、ホテル業界に入ったのですが、そこで沖縄のことを全然分かっていないと感じました」と振り返る。そんな時、姉からミス沖縄の経験が沖縄について知るいい機会になったと教えられ、自身も挑戦する気持ちが芽生えた。

 今年のミスに選ばれた由香さんも、沖縄のことを知らないというもどかしさがチャレンジを促した、と語る。専門学校卒業後、作業療法士として5年間働いた由香さん。「仕事で接した年配の人たちに昔の話や方言を教わる中で、もっと地元について知らなければと思った」のが志望の動機だという。

母の教えを胸に

 3度目の応募で選出されるまで、2人の挑戦を応援し、励まし続けたのが母の新里るみ子さんだ。

 るみ子さんは、那覇市内の化粧品店に勤務する元美容部員。娘たちが幼いころから、「女の子はいつもきれいにしていなさい。高いものを身に付けていなくてもいいから、身だしなみだけはきちんと整えていなさい」と教え続けていたという。

 そんな人一倍「美」に厳しいるみ子さんが、ミス沖縄の選考前に、娘たちのファッションやメークを細かくチェック。さらに、姿勢やスピーチの仕方に至るまで、丁寧にアドバイスを行った。

 姉2人と違い接客業の経験がなく、人前に立つのが苦手だったという由香さんを、るみ子さんはとりわけ熱心に指導した。「厳しいことも言ったと思うのですが、一言も文句を言わずについてきてくれました」とるみ子さんは誇らしげな表情を見せる。

 「母はとにかく明るい人。どんなに私たちが苦しくても悲しくても、常に明るく接してくれる。それでまた元気になれるんです」と3姉妹は口をそろえる。「ファッションやメークへのダメ出しはしょっちゅうですが(笑)、私たちがやりたいと言い出したことを否定したことは一度もありません」と大らかな母を讃える。

 一方で、母は「娘たちには、チャレンジ精神がある。それは私にはないものなので、すごいと思っていますよ」と目を細める。

 輝くような笑顔が印象的な4人の母娘。だが、その美しさはただ表面だけのものではない。自分を高め、磨き続けるたゆまぬ努力があってこそ。だからこそ、彼女たちはあんなにも美しい表情でほほ笑むことができるのだろう。

(日平勝也)



プロフィール

しんざと・るみこ
1956年、那覇市首里出身。高校卒業後、資生堂に入社し、沖縄山形屋で約10年美容部員として活躍。現在は那覇市平和通りの玉城化粧品店に勤務

こうき・わかな
1983年生まれ。短大在学中に2003ミス沖縄 クリーングリーングレイシャス選出。その後約10年間、国内線・国際線の客室乗務員として勤務。2014年、結婚を機に地元沖縄へ戻り、現在は専門学校沖縄ビジネス外語学院でエアライン講師、マナー講師を務める

いけだ・まいこ
1985年生まれ。専門学校卒業後、ホテル業界勤務を経て2009ミス沖縄 クリーングリーングレイシャス選出。現在は放送業界に籍を置き、イベントの企画・運営を担当している。今年1月に結婚

しんざと・ゆか
1987年生まれ。専門学校卒業後、作業療法士として約5年間勤務した後、自身の幅を広げるため印刷業界でデザイナーの道へ。2016ミス沖縄 クリーングリーングレイシャスに選出され、現役で活動中

沖縄観光親善使節 ミス沖縄Facebook
www.facebook.com/MissOkinawa3/



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新里幸喜池田新里
実家のリビングで、仲良く寄り添う母と3姉妹。(左から順に)二女・池田麻衣子さん、長女・幸喜若菜さん、母・新里るみ子さん、三女・新里由香さん。仲良しの4人は、集まればいつも笑いとおしゃべりが絶えないそう=那覇市国場 
写真・喜瀬守昭(サザンウェイブ)
新里幸喜池田新里
任期中当時、ミス沖縄のコスチュームに身を包んだ幸喜若菜さん。
新里幸喜池田新里
池田麻衣子さん。
新里幸喜池田新里
新里由香さんは昨年11月に選出された現役のミス沖縄
新里幸喜池田新里
父・新里正則(まさのり)さんと2011年のお正月に撮影した家族写真
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