「表紙」2018年06月28日[No.1731]号
県内41市町村をTシャツに
県内41市町村がテーマのTシャツが、今、話題を集めている。6月1日〜10日に浦添市港川の雑貨店「Proots(プルーツ)」で開かれた展示即売会の画像が、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)経由で拡散。会場には多くの人が詰めかけ、Tシャツの企画・デザインを手がける「REPRESENT OKINAWA(レペゼンオキナワ)」のCUE(キュー)さんは「予想以上の反響でプリントが追いつかない」とうれしい悲鳴を上げている。
「NANJO」「KADENA」「NORTH DAITO」―。
Tシャツには、県内41市町村の名称が、アルファベットで大胆にあしらわれている。いずれもスポーツチームやカレッジTシャツのロゴを思わせる洗練されたデザインだ。港町である糸満市には碇(いかり)、闘牛が盛んなうるま市には牛、那覇市にはかつてのランドマーク・那覇タワーといった具合に、各市町村を象徴するマークが登場することもある。
スポーティーかつ都会的なテイストに、男性からは「かっこいい」、女性からは「キュート」という声が寄せられる。
地元の人に着てほしい
「お土産物という感じではなくて、沖縄の人に着てほしいという思いがある」。Tシャツの企画・デザインからプリントまで、すべての工程を1人でこなすCUEさん(39)はこう話す。
CUEさんは、県内でグラフィックデザインやウェブデザイン、ゲーム音楽などを手がけてきたクリエーター。2007年に「合同会社 ミドル」を設立し、Tシャツの販売を行ってきた経験を持つ。
これまでは沖縄に特化したデザインは行っていなかったが、この4月に「レペゼンオキナワ」を立ち上げ、県内41市町村をテーマにしたTシャツの作製に取り組んだ。
ブランド名に織り込まれた「レペゼン」とは、ヒップホップやラップなどでよく使用される言葉。「代表する」という意味の英語だが、同時に「誇りに思う」というニュアンスが込められている。
「沖縄は郷土愛が強い島。地元の自然や文化にもう一度目を向け、ホームタウンを誇り、愛していくということがコンセプトです」とCUEさんは力説する。
SNSで話題に
郷土を誇り、愛するというブランドのコンセプトに、浦添市港川の外人住宅街内の雑貨店「Proots」のオーナー・萩原悠さんが共鳴。6月1日から10日まで、同店を会場に、展示販売会が開かれた。
壁面にズラリと展示されたTシャツを来場者たちが写真に撮り、SNSに投稿。ユニークなデザインとコンセプトが話題を呼び、多くの人が会場を訪れた。県内で活躍する有名アーティストらも足を運んだという。
「予想外の反響があり、プリントが追いつかない」とCUEさんが話すほどオーダーが殺到。ウェブサイト経由で注文が可能だが、この記事を執筆している時点で、納品まで10日〜2週間ほどかかる状況だ。
自分が暮らす地域のTシャツはもちろん、市町村と同じ名字のTシャツを買い求める例も多く、CUEさんは「地域名と名字が重なることが多い沖縄ならではの現象かな」と頬を緩める。
「地元を離れて暮らす人へのプレゼントにも活用してほしい」とアピールするCUEさん。地域愛とデザイン性を見事に融合させたTシャツを応援したい。
(日平勝也)
REPRESENT OKINAWA オンラインストア
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