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[No.1730]

  • (金)

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「表紙」2018年06月21日[No.1730]号

馬上からの眺めを体験 琉球ホースクラブ

馬とふれあう、いやされる馬とふれあう、いやされる

 八重瀬町外間に、ことし1月にオープンした「琉球ホースクラブ」。乗馬やエサやりなどのアクティビティーを通して馬たちとコミュニケーションができる施設だ。今回、記者が実際に馬たちとふれあい、乗馬を体験。同クラブで飼育される絶滅危惧種「ミヤコウマ」とも出会った。その模様をレポートする。

 八重瀬町外間の道路を通りかかると大きな動物の姿が目に飛び込んできた。…馬だ! 緑豊かな景色の中を、人を乗せて優雅に歩いている。乗っている人も気持ちよさそうだ。道行く車もスピードをゆるめ、注目の的となっている。「琉球ホースクラブ」の提供する乗馬体験の風景だ。

「ミヤコウマ」も飼育

 琉球ホースクラブでは現在12頭の馬が飼育されているが、そのうち3頭が宮古島の在来馬「ミヤコウマ」だ。宮古島では歴史的に農耕馬として使用されていた品種だが、近年、管理者の高齢化により頭数が減少。絶滅危惧種に指定されている。世界で50頭前後しかいない希少な馬で、沖縄県の天然記念物でもある。

 飼育のきっかけは、宮古島出身の琉球ホースクラブの経営者・根間康夫さんが「幼いころ目にしていたミヤコウマを守り、ふれあえる場所を作りたい」と思ったことから。万が一、宮古島で家畜の伝染病などが発生すると、数の少ないミヤコウマは手立てがないまま絶滅する恐れがある。そのリスクを回避するためにも、飼育場所の分散は有効だ。しかし、ミヤコウマを宮古島から本島に移動させることは容易ではなく、実現には約2年を費やしたという。

 調教師の下村渉さんは、ミヤコウマの特徴は「頑固なところ」だと笑う。外国で品種改良された馬と比べ気難しく、人との信頼関係を築くのにも時間がかかる。現在は、施設内でミヤコウマを繁殖させることも計画しており、調教師の面々が試行錯誤を重ねているところだ。成功すれば、将来はミヤコウマでの乗馬ができるようになるとのこと。

記者も乗馬に挑戦

 今回、下村さんのご好意により、記者も乗馬を体験。乗ったのは、クォーターホースという品種の雌「オリヒメ」。つやつやした茶色の毛並み、黒いたてがみがきれいな一頭だ。下村さんより、またがり方や手綱の持ち方、指示の出し方についてレクチャーを受け、いよいよ馬上へ。

 「うわー、高い!」。クォーターホースの体高(肩までの高さ)は約150㌢。またがった時の目線は2㍍を超える。鞍(くら)や手綱の長さを調節してもらい、いざ出発!

 記者は琉球ホースクラブで人気の乗馬プログラム「ウージヌコース」を体験。コース名の通り、ウージ(サトウキビ)畑の中の農道を約20分かけて乗馬する。下村さんや調教師の方が近くでサポートしてくれるので初心者、未経験者でも安心だ。記者は乗馬初挑戦だったが、オリヒメは「止まれ」「曲がれ」などの指示をきちんと聞いてくれた。ただし、馬は食欲旺盛(おうせい)なので、道や畑に生えている草などを見つけるとそこへ直進してしまう。このときばかりは手綱に力を入れないといけない。しかしそんな予測不能な事態も、動物と接することの醍醐味(だいごみ)だと感じられた。

沖縄に乗馬の文化を

 馬に乗っていると、姿勢が正され、インナーマッスルが鍛えられるなど、エクササイズ効果が多くある、と下村さん。さらに、馬とのコミュニケーションを通して癒やしを得たり、自信を高めることもできるので、精神面にも良い効果があるという。スポーツとして、セラピーとして、馬とはたくさんの関わり方があるのだ。

 話を聞けば聞くほど奥深く、愛らしく感じる馬。馬とのふれあいの素晴らしさを多くの人に体験してほしい。

(津波典泰)



琉球ホースクラブ
〒907-0417 八重瀬町外間99-1
☎098-851-9872

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琉球ホースクラブ
ミヤコウマのサキ(左)とミハルが元気よく駆ける。八重瀬町外間の琉球ホースクラブにて  写真・村山 望
琉球ホースクラブ
琉球ホースクラブでは12頭の馬たちと出会える。どの馬も人懐こくインスタ映えしそう
琉球ホースクラブ
さまざまな種類の馬たちがのびのびと駆け回る光景は一見の価値あり。癒やされます
琉球ホースクラブ
ミヤコウマの「フウマ」。体高約120センチ程度。同じく沖縄県の在来馬として知られるヨナグニウマと比べるとミヤコウマは若干背が高く細身だそう
琉球ホースクラブ
記者もおそるおそる乗馬に挑戦
琉球ホースクラブ
下村渉さん(右)と調教師の皆さん。馬術競技者向けのレッスンも行っている
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