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[No.1780]

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「表紙」2019年06月13日[No.1780]号

自分だけのサンダルをオーダー 手作り工房 彩庵(さい あん) 金城 守さん

一人一人の要望に応える

 名護市宇茂佐にある「手作り工房 彩庵」。沖縄発のオーダーメードサンダルを作るこの店には県内外から客が訪れる。木製なので汗を吸収し、肌触りがさらりとしていると好評だ。メンテナンスや修理、鼻緒の交換などにも対応。長く履き続けることができるのも魅力だ。職人の金城守さんはより納得のいくものを追求し、サンダル作りに日々励んでいる。

 色とりどりの鼻緒を付けた木製のサンダルが並ぶ「手作り工房 彩庵」。名護市宇茂佐にあるオーダーメードサンダルの工房兼ショップだ。 木型4種や鼻緒100種以上などの中から好みのものを選び、組み合わせることで、サンダルをカスタマイズできる。サイズは男女各SMLとあり、足型から作るフルオーダーも対応している。

 15年以上同店でサンダル職人として活躍する金城さんは、もとはエンジニアだった。県内の高校卒業後、県外の電気系の専門学校で学び、神奈川県の電機メーカーに8年間勤務した。帰沖後、土木や建築業などを経て、友人が開業した同店でこれまでの経験や知識を生かし働き始めた。

 2012年頃に経営を任された後は、店を引き継ぎ、一人で切り盛りしている。昔から物作りが好きだったという金城さん。これまでのどの仕事よりも、自分の気質に合っていたようで、「仕事は楽しい」と笑顔で話す。事業が厳しくなっても副業をしてこの仕事だけは維持させてきた。

 金城さんは「鼻緒も変えられるというのも特徴。かかと部分に鼻緒を通す穴を空けているので、取り外しや、鼻緒のきつさの調節もできる」と話す。材料の木は4種類。県産のデイゴ、鹿児島県産のヒノキ、クスノキ、センダンを使っている。同じ素材でも天然木なので一つ一つ木目も違い、まさに自分だけのサンダルをデザインすることが可能だ。

客の喜ぶ姿励みに

 「お客さんと話しながら作り上げていくのが面白い」という金城さん。左右違う鼻緒にするなど、ここだからできるオーダーメードサンダルを提供し、喜んでもらえることがやりがいだ。

 当初、購入者の8割が県外の観光客だったが、オーダーメードというユニークさが評判を呼び地元客も増えてきた。ステージでサンダルを愛用し、応援してくれる県出身の歌手もいる。

メンテナンスにも対応

 「長く履いてもらうためには、自分のために作られたという意識が持てないと」と話す金城さん。ゴム底の張り替えや接ぎ木で欠けた部分を修理など、定期的にメンテナンスすることで長期間愛用することが可能だ。2002年の開店当時から通ってくれるリピーターもいる。

 木型に使う木材の種類も増やしていく予定だ。強度の点で優れている木を使っていたが、「県産の木がいい」というリクエストも多い。今後、コーティングなどで強度を改良し取り入れたいという。

 しばらく控えていた県内外の物産展など、イベントへの参加も再開するつもりだ。これまでは、でき上がったものを販売していたが、「名前を彫ったり、絵を描いたり、現場でその人のためのひと手間を加えることができれば」と話す。「より納得いくものを作りたい」と意気込む金城さん。職人としてのストイックな姿勢を見せた。

(坂本永通子)



手作り工房 彩庵
名護市宇茂佐278番地
 土・日・祝 10時〜17時
☎︎ 0980-54-0154
http://www.irodoru.com

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手作り工房 彩庵(さい あん) 金城 守さん
4種類の木材を使った手作りサンダル。鼻緒を付け替えて、サンダルの印象を変えることもできる。 写真・村山 望
手作り工房 彩庵(さい あん) 金城 守さん
手作り工房 彩庵(さい あん) 金城 守さん
手作り工房 彩庵(さい あん) 金城 守さん
店内にはさまざまな色や柄の鼻緒が並ぶ
手作り工房 彩庵(さい あん) 金城 守さん
サンダルは8715円(税抜き)〜。ヒールの高さや鼻緒の種類などによって値段が異なる
手作り工房 彩庵(さい あん) 金城 守さん
カラフルな鼻緒がずらり。紅型やひもタイプもある
手作り工房 彩庵(さい あん) 金城 守さん
作業中の金城さん。メンテナンスや修理も受け付けているので、長く愛用できる
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