「表紙」2024年01月01日[No.2016]号
沖縄の新しいエンタメとして
県内唯一のプロレス興行団体「琉球ドラゴンプロレスリング」(通称:琉ドラ)が、今年10周年を 迎えた。4月に那覇文化芸術劇場なはーとで開催されたメモリアル大会を皮切りに、昨年はコロナ 禍で自粛していた県外遠征や、海外選手の招聘(しょうへい)など精力的に活動した一年だった。 琉ドラ代表のグルクンマスク(以下、グルクン)さんと、所属レスラーの皆さんにこの10年を振り返る とともに、今後の抱負を語ってもらった。
「今までずーっと 10 年間か けてやってきたことが、ようや く形として見えてきた感じは しますね。僕の中では『もう 10 年たったのか』と『まだ 10 年か』という両方の気持ちで す」と話すのは琉ドラ代表の グルクンさん。
琉ドラの旗揚げは2013 年。きっかけは当時グルクンさ んが所属していた「沖縄プロ レス」の活動休止だった。
「沖縄にプロレスの芽がよう やく出始めた時期だったんで 『消すのはもったいないんじゃ ない?』っていろんな方からア ドバイスを頂き、旗揚げに踏 み込みました」
「プロレス=荒っぽいもの」 というイメージがある中で、 琉ドラは子どもからお年寄り まで楽しめるファミリーエン ターテインメントに仕上げてい る。プロレスの強みである力強 さや迫力はそのままに、とき どきクスッと笑えるようなコ ミカルな部分も多い。全ては お客さんを笑顔にさせたいと いう思いがあってのことだ。
旗揚げ当初から所属してい る、女性レスラーのハイビスカ スみぃさんは「闘牛場や残波 岬の海上など、沖縄ならでは の場所でのプロレスが楽しめ るのも見どころの一つです」と その魅力を話す。
地方団体としてのプライド
沖縄唯一のプロレス団体と してのプライドもある。
「地方だから適当にやってい ると思われたくないんですよ ね。それはプロレスというジャ ンルを汚すことにもなるし、 沖縄を汚すことにもなる。 『沖縄のプロレス、意外とす げぇな』って思わせたい」とグ ルクンさんは語る。
実際、琉ドラは新日本プロ レスや全日本プロレスといった 日本を代表する団体の試合 に出場するなど、つながりも ある。これは地方団体として はまれな事例だという。日々 の練習量や体つき、技術面な どで評価された結果だろう。
「中央にもちゃんと通用す るレベルなんですよ、っていう のを維持し続けるっていうの は大事なことだと思います」
今後の抱負
琉ドラは県外や海外での 試合も多い。「現状の課題は、 ウチナーンチュのレスラーの不 足」だと話すグルクンさん。 そんな中、琉ドラには現在2 人の若いウチナーンチュレス ラーがいる。
糸満市出身のウルトラソー キさんは 22 年、念願だった地 元糸満市での自主興行をか なえた。「今後はまた糸満で プロレスを開催したい。あと は外国でもプロレスをしたい なって思いますね」
南城市出身のティーラン獅 沙(シーサー)さんは、琉ド ラのチャンピオンベルトの獲得 を目標に掲げる。
「団体の顔といえるベルトを 持って、まずは県外に打ち出 していきたいな、と思います ね。沖縄のプロレスを県外に アピールしていきたい」と闘志 を燃やす。
「今後は新人選手を増やし ていきたいですね。それと、ま だプロレスをしていない地域や 場所でプロレスをしたい。やん ばるや離島、首里城や瀬長島 とか。可能性は無限大ですよ」 (グルクンさん)
旗揚げから 10 年がたった琉 球ドラ。その情熱は今もなお 増すばかりだ。
(元澤 一樹)
琉ドラベント情報
・イオンモール沖縄ライカム
イベントプロレス
日時:12月30日(土)・31日(日)いずれも13:00~、17:00~
料金:無料
・新春スペシャル2024
場所:琉球ドラゴンジム
日時:2024年1月3日(水)14:00~
料金:2000円
・イーアス沖縄豊崎
イベントプロレス
日時:1月6日(土)・7日(日)
いずれも13:00~、16:00~
料金:無料
・我栄トーナメント2024開幕戦
日時:1月14日(日)14:00~
場所:イーアス沖縄豊崎3Fイベントホール
準決勝、決勝
日時:2月23日(金・祝)13:00~
場所:沖縄市民会館中ホール
料金:SS席 4400円 一般 指定席 3850円 高校生以下、65歳以上、
障がい者指定席 2200円