「表紙」2025年01月23日[No.2071]号
美容の仕事が地域にとけこむ鍵に
豊見城団地そば、豊見城市高嶺の住宅街にある「沖縄ボディージュエリー&マツエクサロンMALIBU(マリブ)」。代表の仲宗根美紀さんは、北海道の出身。21 歳で来沖し、結婚した。4人の子どもの母として、子育てと家事をこなしつつ、夢だった美容の仕事に挑戦し、サロンを開設した経歴を持つ。まつ毛を美しく整える施術のほか、婚礼の舞台で花嫁の素肌を飾る「ボディージュエリー」の技術を持つ仲宗根さんのサロンには、県外からの来客も多いという。
ボディージュエリーとは、素肌を純銀パウダーやキラキラした素材で飾るデコレーションのこと。まるで宝石を散りばめたような華やかな効果から、ブライダルの場で花嫁に人気の施術だ。
「キラキラ輝くので、アクセサリーとしてもいいんですけど、例えば肌に悩みがあるという方も、それをカバーできるんですよ」と仲宗根さん。耐水性があり落ちにくく、光の反射で肌をより美しく見せる効果もあると説明する。
仲宗根さんが代表を務める「マリブ」は、沖縄でボディージュエリーの施術を行う数少ないサロンの一つだ。にきびや肌荒れ、傷・しみ、タトゥーなどを隠すボディーメイクも併せて提供している。沖縄でのリゾート婚で県外から来沖する花嫁からの施術依頼も多いという。
仕事と子育てを両立
仲宗根さんは北海道出身。マリンスポーツが大好きで、21歳で沖縄へ移住した。ほどなく県内のパートナーと結婚し、出産。4人の子どもに恵まれたが、3人目の子どもが生まれるまでは、家庭で家事と子育てに専念していた。
「でも、やっぱりどうしても美容の仕事がしたくて、子育てをしながら学校に通い、美容師の国家資格を取り、ボディジュエリーの技術も習得しました」。両親も美容の仕事をしており、その姿を見て育ったため、憧れもあったと話す。
北海道に住む両親に子育てのサポートを頼むことが難しいため、例えば子どもが熱を出しても柔軟に対応しやすい自営の道を選択。最初は自宅の小さなホームサロンから始め、 2016年に自宅そばの物件に「マリブ」を開設した。「お店と自宅が近かったので、仕事と家庭が意外と両立できましたね。私が近くにいると、子どもたちも安心感があっただろうし」と振り返る。
笑顔が原動力
「沖縄に来てすぐに結婚したので周囲に親戚も友達もいなかったし、子育ても最初は大変でした」。しかしサロンを開設し、お客さまと関わる中で、地域になじむことができた、とほほ笑む。
「ちょっとしんどい時期もあったんですが、お客さまの喜ぶ顔だったり、ありがとうっていう言葉で、自分の自信につながっていきましたね。お客さまのおかげで知り合いも増えていって、沖縄という地域での助け合いも実感しました」
肌の悩みがある人も、好きなデザインのウエディングドレスを着るための手助けとなるボディージュエリーを県内にも広めたい、との思いから、ブライダル業者へ自ら飛び込み営業も行い、そこからも人脈がさらに広がっていったそうだ。
「ブライダルフェアで、ボディージュエリーについて説明すると、知らなかったという人も多くて。肌を気にして、着たいドレスが着れなかったり、結婚式を挙げないという方もいらっしゃるので、こういう施術があることをもっと知ってほしいですね」
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サロンでは、主に平日にLEDエクステ・パーマなどのまつ毛の施術、週末にボディージュエリーの施術を手掛ける。多忙な日々を送る中、仲宗根さんは「お客さまに喜んでもらう顔がやっぱり私には一番うれしいですね。頑張れるというか」と話し、笑顔で仕事に取り組んでいる。
(日平 勝也)
沖縄ボディージュエリー&マツエクサロン MALIBU
豊見城市高嶺395-67グレイスハーモーニー1F
営業時間=9:00~18:00(日曜定休)
予約・問い合わせ
☎080-2759-1271
eyelashmalibu@icloud.com
写真・村山 望