「表紙」2025年04月24日[No.2084]号
ミント缶で沖縄の魅力を伝えたい
株式会社ミント缶ジャパン 代表取締役 大坂美恵子さん
沖縄土産の新定番へ
やさしい味のミントがつまった手のひらサイズの缶を、沖縄の魅力を表現したカラフルなイラストで飾った「OKINAWAミント缶」。ありそうでなかった新しいタイプの沖縄土産として注目を集め、2022年の販売開始から、累計で約90 万缶を出荷した人気商品となっている。現在、14 種類の定番商品がそろうが、商品を企画した株式会社ミント缶ジャパン 代表取締役の大坂美恵子さんは「沖縄の素材を使った新商品は出し尽くしていない。まだやれることがたくさんある」と、さらなる新商品の開発に意欲を燃やす。
カラフルな絵柄のOKINAWAミント缶を並べ「アイデアがあふれて止まらないんです」と満面の笑みを浮かべる大坂さん。エネルギーあふれる表情には、周囲の人を惹きつけずにはいられない魅力がある。
ミント缶の絵柄には、沖縄好きが高じて県外から移住してきた大坂さんの沖縄愛が凝縮されている。「私が見てワクワクするものだったら、観光客の方もワクワクするはず」との思いでモチーフを選んでいる。首里城、国道58号、沖縄の海、宮古・八重山の風景のほか、オリオンビールのロゴをあしらった缶、沖縄の文化をテーマに琉球花笠の女性をあしらった缶もある。ミントのフレーバーはメントールのほか、シークヮーサー風味・パイナップル風味・ソルトがある。ミントを食べ終わった後も、缶を小物入れなどに活用できるのも商品の魅力となっている。
今年の2月には、デザイン性の高い「OKINAWAアートシリーズ」も発売した。2個セットで2つの缶を合わせるとハートの模様が浮かぶ仕掛けが好評で、ブライダルの記念品として人気を集めている。さらに他企業のOEMや、ノベルティとしてオリジナルデザインを施したミント缶の製造にも対応。5月末〜6月ごろには、県内の老舗黒糖メーカーとコラボした商品の発売も予定しており、勢いは止まらない。
着想から半年で商品化
大坂さんは1975年生まれ。中国の南京で育ち、13歳で東京へ。大学卒業後は貿易会社や自動車メーカーで働いた。2015年に、頻繁に旅行で訪れていた沖縄へ移住。語学力を生かして貿易と通訳を行う会社を立ち上げた。
転機となったのは22年。ハワイの風物をデザインしたミント缶をヒントに、OKINAWAミント缶のアイデアを思いついた。持ち前の瞬発力を発揮し、半年後には商品を完成させ、同年沖縄県優良県産品NEXT部門で審査員特別賞を受賞。翌年からは優良県産品として推奨された。
取扱店も、県内各地の土産店からスーパー、デパート、コンビニ、さらには県外の沖縄物産店にまで拡大しており、特設のブースを設置している店舗も増えている。
挑戦続ける人生
大坂さんのモットーは「思い立ったらその日のうちに立ち上がって、すぐ動く」。売り場から寄せられた情報を即座に反映できるのが強みと自己分析する。昨年9月に旅行で訪れたスペインでも、気が付けば現地の土産店をチェックし、新商品のことばかり考えていた、と苦笑する。
前向きに挑戦を続ける姿勢は、仕事だけにとどまらない。運動不足を補おうと3年前に始めたボディーメイクでは、昨年9月に「ベストボディ・モデルジャパン・マッスル&フィットネスモデル2024那覇大会」に出場し、準優勝に輝いた。限界まで減量に挑む経験は過酷を極めたが「得るものもたくさんあった」と振り返る。そんな大坂さんを、12歳・15歳の息子も「お母さんはかっこいい」と称賛し、夫と共に応援。「下の子が小学校に入ったタイミングで、家族全員で好きなことをやろうって宣言したんです」。海外旅行にも喜んで送り出してくれるという。
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「沖縄を素材に、魅力ある商品作りをやり尽くしたい。課題もたくさんありますが、前向きにとらえています」と意気込む大坂さん。これからもどんな商品が生み出されてくるのか楽しみだ。
(日平 勝也)
株式会社ミント缶ジャパン
問い合わせ 098-988-4323

写真・村山 望



