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[No.1365]

  • (金)

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「島ネタCHOSA班」2011年05月26日[No.1365]号

大型連休を利用して福岡から沖縄に遊びに来た友人夫婦と昼食に大衆食堂へ。私はみそ汁を注文。K子は運ばれてきたごはんと丼に具がたくさん入ったみそ汁に「『おかず』?」とびっくり。沖縄みそ汁の特徴を教えて下さい。

大型連休を利用して福岡から沖縄に遊びに来た友人夫婦と昼食に大衆食堂へ。私はみそ汁を注文。K子は運ばれてきたごはんと丼に具がたくさん入ったみそ汁に「『おかず』?」とびっくり。沖縄みそ汁の特徴を教えて下さい。(2011年05月26日掲載)

みそ汁はおかず?
(那覇市女性、30代)

 さっそく、調査員は依頼人の疑問に答えるため家庭・行事料理から伝統的な宮廷料理まで沖縄の豊かな食文化を県内外に紹介し、普及に努めている松本料理学院の松本嘉代子学院長のもとへ急行した。

 松本先生は多忙でありながら、調査員の急な訪問にも「『島ネタCHOSA班』でみそ汁?いい視点ですね。栄養のバランスがよく多くの人に食べていただきたい」と来訪を歓迎し、みそ汁をPR。

 調査員は「なぜ具がたくさん?入っている中身に決まりはあるの?」などと疑問をぶつけ、松本先生は優しい口調で続けた。

 「みそ汁は沖縄の代表的な家庭料理。身近にある食材をうまく組み合わせて食べてきました。まさに沖縄の気候や生活状況に合致した料理です」と丁寧で分かりやすい説明に、調査員は「すごく奥が深い。これからは毎日食べます」と本土と沖縄みそ汁の違いに分かる男に?

 沖縄の文化

 松本先生は「本土のみそ汁は一般的に汁の中に具が少量入ったもので、『飲む』状態に近い」と説明した上で「沖縄のみそ汁はたった一つの丼に具がたくさん入っていてまさしく『食べる』みそ汁といわれている?」。

 「『食べる』?おかずですか」と聞き返した調査員。

 松本先生は「沖縄のみそ汁はカツオの削り節をふんだんに使って濃いめにだしをとったぜいたく品」。さらに続けて「みそ汁は朝食に欠かせないメニューです。脳の活動を活発にさせ、疲労の蓄積をおさえ、集中力の持続にも役にたちます」

 松本学院長の話に聞き入り、取材を終えたのは午後6時前。ちょうど小腹もすいたので早速、食堂に入りみそ汁を注文した。

 大盛りごはんと出されたみそ汁は葉野菜、豚肉、卵などが入ったいわゆる沖縄の定番。食事をすませ、店主に「ここのみそ汁の特徴は」と尋ねました。

 けげんな表情で調査員の顔をのぞき込み、「うちの店は利用客のほとんどが年配。そのため、家で食べる料理と同じようにだしと具に気をつけています。安心な『家庭の味』が売り」です。

 那覇市内の大衆食堂で調理を担当している平良博美さんは「みそ汁は人気メニューの一つ。特に三十代以上の男性をはじめお年寄りに好まれている」と話したあと、「中に入れる具は店によって違いはありますが葉野菜、豆腐、豚肉、卵が基本。時どきガイドブックを手にした観光客が注文します。『味にコクがあっておいしい』と評判です」

 体に優しい家庭の味

 「カツオの削り節を使うことで、よりぜいたくなうま味と豊かな風味が出ます。だしを濃くすることにより、塩分や味噌の使用量が抑えられる。成長期の子どもからお年寄りまで全ての年代で食べてほしいです」と松本先生。「現代は手軽に食べられる料理が主流ですが、みそ汁も冷蔵庫にある具を利用して手軽にできる料理です。家庭に伝わる料理を通して健全な食生活を身に付けることにより、心と体の健康づくりにもつながっていきます」と家庭料理と食育の関連についても助言をいただきました。

 みそ汁は栄養の補給源。沖縄の気候、風土に合った立派な郷土料理。子どもからお年寄りまで親しまれる「お母さんの味」として受け継いでほしいと調査員は思った。


みそ汁はおかず?
松本嘉代子学院長
みそ汁はおかず?
沖縄の代表的家庭料理「みそ汁」


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