「島ネタCHOSA班」2011年11月17日[No.1390]号
東京出身でこの春から沖縄に転勤し、県内の支社で働いています。仕事帰りによくコンビニを利用しますが、おにぎりを買うと、店員さんから必ず「温めますか」と聞かれます。東京では聞かれた事がなかったので、少しだけカルチャーショックを感じました。他県でも聞いているのですか。(2011年11月17日掲載)
おにぎり温めますか?
(浦添市 NM)
なるほど、私もコンビニのおにぎりが好きでよく食べます。特に鮭おにぎり、鶏五目などが好きです。
調査の前に、まず友人や知人、会社の同僚におにぎり「温めますか」? と聞いてみました。
結果は? 後のお楽しみに…。では、仕事の行き帰りによく利用するファミリーマートへ直行。
県内208店を展開している沖縄ファミリーマート。対応して頂いたのは商品部商品課デリカGチーフバイヤーの岸本国也さんとブランディング推進室の伊良部みゆきさん。イケメンの岸本さんと笑顔が素敵な伊良部さん。今回は楽しいお話が聞けそうですね?
では単刀直入に。なぜ沖縄ではおにぎりを「温めますか」? と聞くのですか。
岸本さんは「私も出張で沖縄に来たお取引先様や県外出身の友人に『温めますか』ときかれたことがありますかと、尋ねてみました。逆になぜ沖縄は『聞くの』と聞き返されました」と話してくれました。
沖縄だけ!?
「それにはまず、当店の商品管理の仕組みから説明させてもらいます」と岸本さん。「惣菜が入れられている場所を私たち業界では『オープンケース』と呼んでいます」。
「おにぎりやお弁当の入った『米飯ケース』は常時18℃プラスマイナス2℃を維持しています。品質維持の面からいえば、もう少し低い温度の方がいいのですが、米が固くならず、おいしく頂けるようにそのような温度で管理しています」と岸本さん。さらに説明を続け「その温度だと、お客様が手に取った状態で、米をおいしくいただけます」。
おいしく食べるには
おいしく食べてもらえるようそこまで考えているんだ。
岸本さんはにっこり笑い、「基本的に沖縄の方は温かい物を好む傾向にあります」と県民の特徴を示し、「全国統計をとっているわけではないので、正確な数字は示すことはできませんが、『温める』は一部地域を除いて沖縄だけといっても間違いありません」ときっぱり。
「私が『ファミリーマート』に、12、3年前に入社した時には7対3。いや8対2の割合で温め派が圧倒的に多かったと思います」と驚きの数字を示してくれました。
温め派が多いので、そのようなことを聞くのかと、納得の調査員。
岸本さんは「しかし、いまでは温める人、温めない人5対5の割合ですね」と、現状を説明してくれました。
どうして「温め派」が少なくなっているのですか。
「当社で販売している商品にはお客さんご自身がのりを包む『手巻きおにぎり』があります。それは「ぱりっと」した食感が特徴です。それを温めると「パリパリ」感が薄れてしまいます。のりの食感を楽しみつつ、お米も温めないでもおいしく頂けると理解されてきたのではないでしょうか」
話が進むなか、岸本さんは「何を隠そう私も最近まで「温め派」でしたと告白。その隣でメモを取る伊良部さんも「私もそうでした」と告白しました。(笑)
そうですか。私は当初から温めないで食べていました。(少し自慢げに胸を張る調査員)。
「もちろん、ポークたまごおにぎりのように種類によっては温めた方が、よりおいしく頂ける商品も多数あります。明確な答えではありませんが個々の好みではないでしょうか」と岸本さん。
また、岸本さんは「当店は全国展開なので、マニュアルには『温めますか』と尋ねるように指導します。しかし、実際にお尋ねする県はあまりないと思います」。
やはり沖縄だけだったのか。
さらに、説明を続け「東京や都市部のコンビニ利用者は仕事の合間にコンビニを利用される方が多いようです。そのため商品を購入すると、それに合わせてお金を用意しレジに並びます。支払いの際に間があると、後に並んでいる人に『悪いなぁ』と気付かうことが多いようです」。
「都心部にある当店はレジ横の周辺にセルフサービス用のオーブンレンジが設置され、お客様がご自由に利用されています」
そうか、都会の利用者は自分で簡単に利用できるセルフサービスが便利なのか。まさに「コンビニ」ですね。