「島ネタCHOSA班」2012年11月22日[No.1443]号
沖縄科学技術大学院大学(OIST)が9月に開学しましたね。国際レベルの科学技術を集結させた施設やカフェを県民も利用できると聞いたのですが本当ですか?(浦添市 N・Tさん)
県民も大学院大学を満喫!
素晴らしい研究施設が沖縄にできましたが、庶民には縁遠い感じがしますね。県民も利用できる方法を探してみたら、ガイド付きのキャンパスツアー(要予約)なるものがあったので早速、申し込んでみました!
世界的科学者に遭遇?
恩納村谷茶の丘の「OIST」と書かれた城壁のようなゲートを入っていきます。スタッフ宿舎や赤瓦の南欧風の建物が並ぶvillageエリアを通り過ぎ、立体駐車場に車を止め、エントランスに続く通路を行くと、受付のある通称「ギャラリートンネル」に到着。
受付名簿に名前を記入し、入館証をもらいます。研究室は立ち入り禁止ですが、「誰でも受付すれば入館できるのでお気軽にどうぞ」とのこと。今回は約15人がOIST地域連携セクションの山岸千夏さんのガイドでキャンパスツアーに出発です。
プロジェクターが埋めこまれた壁が近未来的な雰囲気のギャラリートンネルを抜けると期待感が高まります。ヒッグス粒子など最先端の研究報告が展示されていました。驚いたのは、施設の入り口をあえて一カ所にし、教授や生徒、スタッフ、ゲストも必ずこのトンネルを通ること。学園理事にノーベル賞受賞者が6人もいるので、話しかけてアイデアを交換するチャンスもあるのだとか。境界線を取っ払い「アイデア、思い、情熱」で新しい何かが生まれる環境が整えられています。
次は、青い海が一望できる展望エレベーターに乗り、C階のレクチャールームへ。あれ? 階は数字じゃないの? 「山の斜面を生かして建物が建っているので高さが一律ではありません。大体の領域でAからC階になっています」と山岸さん。ここでも境界線をひかない姿勢が反映されているようです。
インテリジェントな会議室でOISTの概要の映像を観賞。「OIST」は「Okinawa Institute of Science and Technology」の略で「オイスト」と呼びます。施設内の共通語は英語。最先端の研究設備、世界中から集まった優秀な科学者たち、そして地域に還元する仕組み…。すごいものが沖縄にできたんだ! と高揚感を覚えました。
科学に国境はなく、学部学科もなく、興味を持ったことを学べる世界的に見ても類のない施設です。また、学際的な研究が地元との連携で行われ、共に成長発展していける場。「一番大切なのはコミュニケーションとアイデア、科学者・人間として成長すること」なんですって! 世界で起きている問題の解決法が沖縄から発見されていくであろうと聞き、感動の波に乗りまくる調査員でした。
県産素材で英気を養う
下に流れる小川を保全するためにできた架台のないスカイウオーク、ラボを外から見学した後、お待ちかねのカフェテリア「kaito+」へ。絶景に再び驚き! 地元の野菜が並ぶ「ハピマルシェ」やおいしそうなデリやパンにくぎ付け。ビジターも気軽に利用できます。
メニューはOISTスペシャル。店長の石田京子さんは、「野菜や肉、魚、お茶など、全てヤンバルの食材を使い、世界各国の方の口に合うようなメニュー作りを心がけています。毎日安心して食べられ、英気を養ってもらえる食事作りを目指しています」と話します。スタッフのリクエストに応じながら試行錯誤しているそうです。
例えば、オリジナルマフィン(150円)。脳の疲労回復には甘いものが最適ですが、甘さは控え、果物の自然の甘みで仕上げています。グリーンカレー(500円)やパンデュー(300円)などどれもおいしそう。カフェは午前9時から午後5時までオープン。スタッフ優先なので混雑するランチの時間帯を外すと、利用しやすいそうですよ。
OISTでは、地域と連携したさまざまなイベントも企画しています。沖縄のニュースポットの予感大です!