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[No.1465]

  • (金)

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「島ネタCHOSA班」2013年05月02日[No.1465]号

イチローカレー

 先日、恩納村をドライブしていたら、「イチローカレー」と書かれたのぼりが道沿いに林立するのを見つけました。さらには「拷問マッサージ」の看板もあり興味津々。どんなカレーなのかチャレンジして来てください!

(那覇市 N・Tさん)

気になるイチローカレー!

 「イチローカレー」ですか? 気になりますね。はたまた拷問マッサージって一体何???
 情報を元に恩納村に車を走らせると、真栄田岬から恩納村に抜ける道路沿いに「イチローカレー」ののぼりを発見! 恩納村山田の「マリブハウス」のメニューのようです。なんと「キム・ヨナシチュー」もあるみたいですよ。早速、同店のドアをたたいたのでした。

根菜たっぷり健康食

 こんにちは! オーナーの名城達巨(たつお)さんとスタッフの屋良満純(ますみ)さんに話を聞きました。イチローカレーはどんなカレーなんですか?

 「はい、イチロー選手に食べてもらいたいカレーなんですよ。一流のしなやかな体作り、体のケアにこだわるイチロー選手が毎朝カレーを食べているという話を聞いて、それにあやかりました」

 そうなんですね。これを食べるとイチロー選手みたいになれるということですか?

 「そうです。食べ物にこだわって頑張れば、イチロー選手みたいな柔軟で五感を超えた感性を持つスポーツ選手にきっとなれると思っています。このカレーを作ったきっかけというのが、実は自分が病気を患ったことに始まります」と名城さんは語ります。

 イチローカレーは栄養満点。健康食品の玄米粉や油を抜いたゴマパウダー、陽梅(やんばい)という干し梅ペースト、ヒジキを混ぜ合わせ、玄米ライスの隠し味に。肉類を使わず、根菜類をゆっくり時間をかけて煮る伝統調理法「かさね煮」で作り、これ一品でバランスが完璧なのだとか。

 調査員も実際に食べてみました。大根やゴボウ、ニンジン、レンコンなど軟らかく煮込まれた根菜類がたっぷり。滋味深いカレーです。玄米はゴマ、ヒジキ、梅の酸味が利いていてこれだけでもおいしい。体が浄化され、パワーがみなぎってくるようです。

 以前はステーキと伊勢エビで有名なレストランだったのでは? 「2012年10月からヘルシーフードレストランにシフトしました」と言う名城さん。12年前、ヘルニアの重症化や変形性股関節症などで軟骨が骨化してしまう病気にかかり、足が突然動かなくなってしまったそうです。「病気は食べ物から作られる」ということを身をもって経験したので、「健康のお裾分け」としてヘルシーフードレストランに変更。イチローカレーには言葉にできない名城さんの深い思いが詰まっているのです。

 その他、「キム・ヨナ選手にも食べてもらいたいシチュー(みそベース)」や、「宮里美香おにぎり」「室伏広治ハンマーおにぎり」など、アスリートにちなんだ気になるメニューが並びます。

地獄のマッサージも

 で、では、看板にある「拷問マッサージ」は食事とセットなのですか?

 「そうです」

 体内外から健康にアプローチするのがいいそうです。内臓も筋肉なので、良質な食事でいい体を作り、拷問マッサージは筋肉をしなやかに維持するためのものとのこと。

 どれだけ拷問なのか、いざ、体験しましたが…。

 ひぇ〜!! 大絶叫が店内に響きました。筋肉が硬くなってしまっているのか、筆舌つくせぬ未知の痛み…。体中の汗と涙が流れ出していました。

 施術後は体がほんわかして天国だったものの、レストラン2階のマリブビーチを見渡す気持ちのよいマッサージルームが、通称「地獄の一丁目」であることの意味が分かった調査員でした。

 勇気のある人はぜひチャレンジを(笑)


イチローカレー
名城達巨さん(左)と屋良満純さん
イチローカレー
これがうわさの「イチローカレー」(600円)。「キム・ヨナ選手にも食べてもらいたいシチューみそ風味のデミグラソース」(左奥、同)=恩納村山田のマリブハウス
イチローカレー
イチロー選手とキム・ヨナ選手の看板もある気になる外観
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