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[No.1507]

  • (金)

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「島ネタCHOSA班」2014年02月27日[No.1507]号

街路樹で植栽アート

 沖縄自動車道那覇インター近くのガソリンスタンドの出入り口にある植栽が、とてもきれいに刈り込みされています。ゾウや人などいろいろな形が作られていてすごいです。誰が、何の目的で作っているのか調べてください。(Kさん)

街路樹で植栽アート!?

植栽を動物などの形に刈り込

 植栽を動物などの形に刈り込み? 早速行ってみましょう。那覇市首里崎山町の県道82号沿い。那覇インターを降りて大角座(うふかくざ)に向かうと、左手にありました。給油を兼ねて観察してみると、目の付いたゾウ、ハート、鳥のような形などがニョキニョキ出ています。給油所の人に聞くと、「深夜勤の従業員が作ったんですよ」と教えてくれました。

 でも、県道や国道沿いの植栽に市民が手を加えても良いの?…と不安が。そこで、南部地区と離島の14市町村を所轄する南部土木事務所を訪ねました。

 路面の清掃や植樹、除草などを行う維持管理班の金城秀明さんは、「家や事業所の前の道路に、花や樹木を植えたり、草刈りしたりしてくださる方はいますね」と話します。朝、社員総出で清掃している場面をよく見掛けますね。「もちろん、枝が伸び過ぎて通行の妨げになっては困りますが、地元の皆さんが道路を気に掛けてくれることは、ありがたいと思っています」とのこと。ホッとしました。

 2013年2月現在、同事務所所轄内には「道路植栽樹木管理会ボランティア」が70団体、1910人が登録しているそうです。街の景観は、地域の熱意に支えられているんですね。

偶然の産物

 いよいよ製作者とご対面! りゅうせきエネルギー崎山店に勤務する與那嶺真美さん(61)です。温和な笑顔の與那嶺さんは、植木職人から転職? 「よく職人の経験を聞かれますが、自己流ですよ」と話す手には事務用ばさみ。チョキチョキと器用に、伸びた葉や枝を刈り取っています。

 どうして「植栽アート」を始めたんですか? 「ある日、お客さんから『処分するレンギョウをもらってくれないか』と言われて、10鉢譲り受けたんです」。

 それがなぜ植栽に?「もともと植えられていた大きなホルトの木が、2年前の台風で倒れてしまったんです。僕は23時から7時まで、深夜一人で勤務していて、店の前が殺風景だなーと思って、譲り受けたレンギョウを植えたんですよ」。

 ぽっかり空いたスペースを緑で埋めてくれたレンギョウはグングン育ったそう。「沖縄の植物は伸びが早くて、出入りするお客さんの視界を遮るようになってしまって」。

 考えた與那嶺さんは、一度半分ほどの丈にばっさり切り、思い思いに伸びていく枝を人や動物に仕立てていったそうです。

遊び心で楽しむ

 「実はこちらに勤務する前に30年ほどバイク屋をしていまして。その時にも植栽に遊び心を加えていたんですよ」と見せてくれた写真には、バイクに仕立てた植栽が。「遊び心がまた湧いてしまって」と照れる與那嶺さん。

 2年掛けて手入れした給油所前のレンギョウは、地域の皆さんに好評だそう。「通り掛かる子どもたちが『面白いー』『かわいい』って言ってくれます。反対車線からわざわざユーターンして写真を撮っていくお客さんもいますよ」。植栽を介して地域の会話が生まれているんですね。

 ところで、形はどうやって決めているんですか? 「木と相談です。伸び方を見て、想像力を膨らませてね。最初はただの鳥に仕立てた枝に実が付いたら、『クジャクみたい』って言われて。見る人によって感じ方が違うのも、面白いでしょう。通勤のラッシュ時や渋滞の時、少しでも癒やしになればうれしいですね」と少年のような笑顔で語る與那嶺さん。次は何が出現するのか、今後も楽しみです。



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街路樹で植栽アート
金城秀明さん
街路樹で植栽アート
通りを和ませる植栽
街路樹で植栽アート
植栽を手入れする與那嶺真美さん
街路樹で植栽アート
ゾウさんに会えますよ
街路樹で植栽アート
バイクに仕立てた植栽(與那嶺真美さん提供)
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