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[No.1523]

　調査員の家では「たりたりまんまん」と呼んでいましたが少数派のようです。これが当たり前と思っていただけに私は衝撃を受け、また相手にも衝撃を与えたことがあります。気になっていたのでアンケートを実施してみることにしました。

多様な呼び名に驚き

　フェイスブックで県内各地域から８０人の回答を得ることができました。そのうち３４人が「ねこまんま」と回答。「ねこまんま」は県内各地に幅広く点在している最大派閥です。

　しかしながら、なんと２６種類の呼び名が飛び出す大混戦。「ねこまんまはどちらかというと、かつお節ごはんのことでしょう」と対抗する勢力も多数登場してきました。

　次点は１１人が回答した「しるじきー」。他にも派生したであろう「しりじきー」「しりじけー」がありました。おそらく、汁漬けが変化したものだと考えられますが、回答者の出身地は西原町、嘉手納町、沖縄市、国頭村など中北部に多かったです。地域によっては主流の呼び名が存在しそうです。

　その他の回答といえば、あとはどんぐりの背比べ。調査員の「たりたりまんまん」のルーツは回答者の出身地から宮古島、とりわけ伊良部島での呼び方が濃厚。「おじやまんま」という呼び名も宮古島出身者に多かったです。

　ここで面白い結果が。石垣島出身者からは「おじゃじゃまんま」。伊是名島出身者からは「ちくちくまんまん」という回答が。くしくも離島に「○○まんまん」という呼び名が多いという調査結果に。これは県内の言語学・民俗学の学会で発表しなくては。

　他に印象的な答えは「しるかーかーしー」「しるじゃかじゃかー」「おじこんこん」「しるかちゃー」などがありましたが、声に出して言いたい汁かけごはんのネーミング第一位は「おつゆこっこい」。小さい子どもが舌足らずな声で言っているのを想像すると思わず抱きしめたくなります。

　アンケートを眺めているうちに一家団らんを思い描いた調査員。この企画が私をセピア色の気持ちにさせるとは…。

各家庭でアレンジも

　さてそんな汁かけごはん、小さいころは「行儀が悪いからやめなさい」と言われたものです。でもなぜか安定したおいしさを誇るのもまた事実。中には「ご飯に汁をかけるのはダメだが、汁にご飯を入れるのは礼儀作法上問題なし」といった声や、「スープチャーハンやお茶漬けがあるのに、汁かけごはんの地位が低すぎる」という愛にあふれる意見もありました。

　ここで、みなさんの家庭でのアレンジレシピを紹介します。

　【卵入り汁かけごはん】
　煮込み卵スタイルでも良し、溶き卵スタイルでも良し。オーソドックスなプラスワン。
　【キムチ入り汁かけごはん】　キムチに韓国のり（なければ通常ののりでも可）、ごま油を垂らして風味満点。白菜のシャキシャキ感もＧＯＯＤ。
　【チーズ乗せ汁かけごはん】　みそと相性の良いチーズをトッピングすることで一気におしゃれな感じに。オリーブオイルを垂らしてさらにもうワンランク上のステージへ。

　汁かけごはんの呼び方一つで各家庭のルーツやアイデンティティーが計り知れた調査。皆さんも実家に電話して聞いてみましょう。「ねぇお母さん、何で家では汁かけごはんのことを○○と呼んでたの？」と。