沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1543]

  • (金)

<< 前の記事  次の記事 >>

「島ネタCHOSA班」2014年11月06日[No.1543]号

レトロな理髪店

「10月2日のレキオに載った理髪店の記事を見て、久茂地の安木屋さん近くにも不思議な感じの理髪店があります。どんな店か調べてください」

「未来」でレトロな理髪店?

 というわけで、調べてきました。まず、安木屋近くにある床屋を探してきました。該当する店は5軒ありましたが、いろいろ探した結果、見つけました。

 店の名前は「ヘアサロンfuturist(理髪未来派)」。未来派という名前ですが、店内はレトロな雰囲気になっています。迎えてくれた店主の仲栄真盛秀(なかえまもりひで)さんによると、店名の由来は大好きな坂本龍一のアルバム「未来派野郎」から。仲栄真さんが理容師になったのは28歳のとき、手先が器用だったことから理容師になりたいと一念発起。数年の見習いを経て、14年前に免許を取得。自分の店を持ちたいという夢を持ち、12年前に今の店をオープン。そんな店の壁の棚にはフィギュアがずらり。「70〜80体持っているけど、店に飾っているのは半分くらい」。マジンガーZにドラゴンボール、北斗の拳と昭和生まれにはたまらないものばかりが並んでいます。「オープンしたころはマジンガーZの2体だけだったんだけど、小禄に大きなリサイクルショップができので、もともと好きだったこともあって、気付いたらこんな風になっちゃった」と笑いながら話してくれました。

 興味津々で店内を眺める調査員の足もとにすり寄ってきたのが、看板ネコのミーちゃん(推定6歳メス)。おやおや。「この子はもともと近所の野良猫だったんですけど、いつのまにか居着いちゃって」と今ではすっかり看板ネコに。お客さんがいない時は理髪用のイスで気持ち良さそうに昼寝をしています。「この子に会いに来てくれるお客さんも多いんですよ」と目尻の下がるネコ好きの仲栄真さんです。

 もうひとつ気になったのが、部屋の角にある小上がり。なんと理髪店にお座敷があるではありませんか!?「もともとは美容室だったのを居抜きで使ってるんです。多分着付けに使っていたと思うんですけど、なんかいいでしょ」と笑いながら話します。この座敷スペースにはマンガも置いてあり、理髪が終わってからもついつい長居してしまうお客さんも多いんだとか。

 また「子どもたち用にテレビゲームも置いてるんですが、最近はスマートフォンのゲームが人気みたいで、近々Wi-Fiも入れる予定です」と近代化の波にもしっかり乗っかっている様子でした。

日本の技術に外国人絶賛

 大通りからは少し中に入っているので、「近所に住んでいても知らない人がいる」というこの隠れ家的理髪店。「お客さんは常連さんや、自分の同級生がほとんどですが、時々外国人の旅行者もいるんです。58号と国際通りのちょうど真ん中くらいにあるので、見つけてくるんでしょうね」と仲栄真さん。カットの技術はもちろん、シャンプーやマッサージなどもすごく喜んでくれるそうです。「毎年、那覇大綱挽の時に来てくれる人もいますよ」

 フィギュアに囲まれた不思議な店は、無口そうなオーナーがフィギュアや音楽の話題で盛り上がる理髪店でした。



このエントリーをはてなブックマークに追加


レトロな理髪店
仲栄真盛秀さん
レトロな理髪店
一見普通の理髪店に見えますが…
レトロな理髪店
開店当初からここにあるマジンガーZのフィギュア
レトロな理髪店
この店で一番高額だという北斗の拳のラオウ
レトロな理髪店
看板ネコのミーちゃん。すごくおとなしくて、日なたぼっこが大好き
レトロな理髪店
マンガも充実のラインアップで、一度読み始めたら止まらない!?
>> [No.1543]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>