「島ネタCHOSA班」2015年2月5日[No.1555]号
ゆいレール牧志駅近くの安里川沿いの工事現場に、派手で面白い看板がたくさん並んでいました。どんな意図で設置しているのでしょうか? 気になるので、ぜひ調べてください。
工事現場に面白看板!?
派手で面白い工事看板!? これは、気になります。早速、その看板があるという現場に直行しました。
安全で楽しい現場に
牧志駅から美栄橋駅に向かって安里川沿いを歩くと、工事現場の前にずらりと並ぶ看板を発見。「わが社は安全施工の『レジェンド』を目指します!」など、旬のネタを取り入れたものや、「なんくるならんどぉ〜 慣れた作業の落とし穴」など、うちなーぐちの看板もあります。さらには、工事概要などが貼られた掲示板には「いつやるか? 安全確認 いまでしょ!」など、ユーモアあふれるスローガンがたくさん貼られています。工事を行っているのは、「美善建設」と判明。問い合わせると、「はい、うちの看板です」との返事が。話を聞きに行くことにしました。
迎えてくれたのは、根保直樹社長と新垣勉専務。看板を思いついたきっかけについて話を聞きました。
「工事現場というのは殺風景ですよね。地域の住民に楽しんでもらいたいという思いと、現場で働いている作業員の安全意識を高めてもらいたいという思いで、4年程前からこのような看板を掲げ始めました」と根保社長。これまでに、制作した数は約50枚。同社は、安里川や旧西原町役場の解体工事現場をはじめ、各現場で看板を掲げています。
看板は誰が作っているのでしょう?
「年に2回、職員から看板用の標語を募集して、投票で選ばれたものを看板にしています」と新垣専務。選ばれた人には社長賞が授与されるため、職員は流行語を織り交ぜたり、ダジャレを駆使して必死に考えるそうです。
標語が決まると、看板業者にイメージを伝え、デザインを依頼。イメージ通りになるまで、何度も修正してもらうというから、気合が感じられます。
月替わりで掲示
看板は、地元住民や子どもたちからもユニークで目立つと好評を得ているといいます。信号待ちの運転手が歩道沿いにある看板に見入ってしまい、青に変わっても気づかず、後ろの車からクラクションを鳴らされたというハプニングも。確かに、気になってしまいますよね。
そしてここで驚きの発言が!
「各現場で毎月、看板を変えています」と新垣専務。
えっ!? そこまでするなんて、大変じゃないですか?
「同じものを掲示し続けても見飽きられるし、皆さんにいろいろな看板を見てほしいので。月に一度、すべての看板をローテーションしています」。なんというサービス精神! 脱帽です。
クリスマスの時季は、工事現場にイルミネーションの飾り付けまでしていたというからさらに驚きです。社員がサンタに扮(ふん)して子どもたちにあめを配ったりもしたそう。子どもたちの喜ぶ顔が目に浮かびます。
看板を掲げてから、現場の作業員の安全に対する意識も向上し、事故は起こっていないといいます。
通行人も楽しめて、事故抑制にも効果を発揮する愛すべき看板。面白いだけではなく、安全に一役買っているんですね。安全作業への願いと地域住民への心遣い。ユニークな看板の裏にある強い思いを知った調査員でした。