「島ネタCHOSA班」2015年2月12日[No.1556]号
子どもが友だちから聞いたというのですが、蛇口をひねると、ジュースが出てくる所があるそうなんです。しかも、ただで飲み放題らしいのです。ご存じでしたら教えてください。
(八重瀬町 ジューシーフルーツさん)
蛇口をひねるとジュースが!?
「蛇口をひねればジュースが出てくる? しかも飲み放題ですか?」
何と魅惑的な調査依頼でしょう。それは子どもだけでなく、大人でも気になってしまいます。しかも無料というではありませんか。
蛇口から絞りたてジュース
というわけで、おいしい物大好きな調査員が調査してきました。ジュースの出る蛇口をヒントに、ネットで「沖縄蛇口 ジュース 無料」と検索したところ、トップに現れたのが豊見城市豊崎にある沖縄特産市場YONAR’S(ヨナーズ)さん。
沖縄の特産品を製造販売しているお店で、その店舗の奥にシークヮーサージュースが出てくる蛇口があるとのこと。さっそく電話で「蛇口からジュースが出る店を探している」という旨を伝え、取材を申し込んだところ快く応じてくれました。
お会いしたのは代表取締役社長の與那覇仁(よなはじん)さん。ちなみに「YONAR’S」は厳選した沖縄の土産をはじめ、シークヮーサージュースやドレッシング、野菜チップス、完全無農薬にんじんジュース、黒糖製品など県産の特産品の製造販売をしている店舗兼工場。
與那覇社長にお会いしてすぐに、蛇口からシークヮーサージュースが出てくるというアイデアはいつごろから、なぜ始めたのですかといきなりぶしつけな質問をしました。
「そうですね、キッカケはだいぶ前になりますが、以前、愛媛県の松山空港で特産品のポンジュースが出てくる蛇口があるのを知り、沖縄県だったら沖縄のソウルフードならぬソウルオレンジはシークヮーサーだなぁと思いました。そして蛇口からシークヮーサージュースが出てきたら面白いと思い、まだ誰もやっていなかったので、5年前に店舗がオープンした後に始めました」
蛇口から出るシークヮーサージュースが無料で飲み放題ということが口コミで広がると、場所柄から観光客の利用者が増えると思ったそうですが、「意外と地元客の利用者が多いですね」と言う。
「休日になると家族連れもいます。特に夏休みになると地元の子どもたちは、海で遊んだ帰りに、ここでジュースを飲みに毎日来るんですよ(笑)」。
その子どもたちが口コミで宣伝しているようで、学校関係者からも連絡があり、学外授業で店舗奥の工場見学に来るようになったそうです。
また、観光客も話題性があることから、蛇口の前で記念撮影をする人も多く、試飲後にジュースの原料でもある「青切りシークヮーサー100」を購入する人も増えているそうです。
そんなわけで、水道の蛇口からジュースが出るという話は、県産シークヮーサーのおいしさを多くの人に知ってもらうため、太っ腹な與那覇社長が始めた、試飲のためのうれしい蛇口でした。
大人にもうれしい蛇口
とここまで書いたとき、調査員の1人が「蛇口をひねって出るものの中に、大人がうれしいのもあるんですよ」と呟きました。
「え!? それは何」と尋ねると、「ずばり、泡盛です」という答えが。
なるほど、蛇口からジュースが子どもの夢ならば、泡盛は大人のロマンだねぇ、と言い、さっそく、泡盛の出る蛇口を追加調査してきました。
場所は久茂地交差点近くの「海援隊沖縄・心菜箸ぼんぢりや久米本店」です。
店内に入るとカウンターやテーブル席には、飲食店には不釣合いな蛇口がありました。よく見てみるとお客さんは思い思いにグラスを蛇口に当てて栓をひねっています。すると、透明な液体が…。見た目はただの水道水のようですが、これが泡盛だそうです。
水道の蛇口から水やお湯以外の飲料が出ると、大人も子どももうれしいものです。今後は蛇口からどんなものが出てくるのだろうか、その可能性が気になる調査員でした。