「島ネタCHOSA班」2015年08月06日[No.1581]号
国道58号を北向けに進むと浦添市の城間バス停の横に波の形をした、石のオブジェが立っています。以前からずっと気になっていたのですが、あれは何のために作られたのでしょうか。気になるので調べてください
(宜野湾市 マダムサキさん)
城間バス停に謎の物体!?
城間バス停はよく通る場所ですが、そんな物体があるとは気付きませんでした。
現場に行くと、確かにバス停から少し離れた所にありました! 白く色あせ、風化しています。うっすらと文字が彫られた形跡も。
まずは、浦添市役所に聞いてみました。
「城間バス停のそばにある石のオブジェについて知りたいのですが」
「役所内で確認しましたが、知っている職員はいませんでした」との回答。でも、沖縄国際海洋博覧会のモニュメントではないかとのヒントをいただきました。
海洋博開催時に設置?
正面からよーく見ると、彫られているのは「沖縄国際海洋博覧会」という文字ではありませんか! そしてこの物体の形は、海洋博の3つの波頭が並ぶシンボルマークに似ています。
海洋博公園に聞けば知っている人がいるかもと思い、尋ねてみたのですが、残念ながら「当時を知る人がいないので、分かりませんでした」とのこと。海洋博が開催されたのは1975年。40年の時が経過しているため、調査は難航必須の予感です。
国道58号を管理している南部国道事務所や城間公民館などにも問い合わせてみましたが、分かる人は見つかりません。
絶望感に襲われる調査員。しかし、まだ諦めきれません。最後にもう一度、現場に行ってみることにしました。
石碑の周りを隅々まで見てみると、台座の上に石板を発見。文字が彫られているではありませんか! しかし、ショックなことに肝心な部分が欠けています。
片側には「海」、もう片方には「い未来 青年会議所」とだけ彫られています。その前後の文字はどこにも見当たりません。
「青年会議所」というヒントを頼りに、何件かの青年会議所に連絡してみましたが、知る人は出てきません。
直通バスの目印として
最後の望みを賭けて、近隣の住民に突撃インタビューを敢行。道行く人たちに尋ねますが「知らないですね」「見たことないですね」との返答。その存在さえ気付かなかったという人が大多数でした。日も暮れ始めてきたので、最後と決め、路地の一角にある薬局に入ってみました。
「すみません、怪しい者ではありません…」
この近辺で育ったという50代前半の店長が対応してくれました。写真を見せると、「今まで忘れていましたが、見た記憶があります」
本当ですか!?
「海」と「い未来」という文字のことを話すと、「海洋博のテーマだと思います。『海─その望ましい未来』のような言葉だったのではないでしょうか」
おー。確かに文字がつながります! しかも、家族で海洋博にも行ったそうです。
「城間のバス停から直通バスが出ていたんです。ちょうどそのオブジェもあり、バス停の目印になっていました。うろ覚えですが、色が付いていたような気もします」。他の地域にもこのような石碑があった記憶があるそうです。
さっそく、バス会社やバス協会に問い合わせてみました。その中の1社のバスガイドさんが覚えていて「県が作ったものではないでしょうか」とのこと。県庁などにも聞きましたが、今のところ誰が何の目的で作ったのかは判明していません。答えには近づいている予感はします。引き続き調査を進めたいと思います。
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