「島ネタCHOSA班」2015年11月19日[No.1596]号
浦添市伊祖のマックスバリュ付近の道路沿いに、民家の3階くらいまで届く巨大なサボテンが生えているのを見ました。あまりの大きさにビックリ! 一体どうやって育てたのでしょうか?
(那覇市 文字通り多肉な男子さん)
伊祖に巨大サボテン!?
えっ、3階まで届くサボテン!? サボテンって、そんなに大きくなるの? 何はともあれ、現場に急行してみましょう!
1本の茎から成長
というわけで、浦添市伊祖に足を運んだ調査員。手がかりはマックスバリュの近くという情報だけでしたが、あてずっぽうで入った最初の道路で、視界に緑の物体が!
近づいてみると…。な、なんと、道路に面した民家の庭先に、本当に3階まで届く巨大なサボテンが生えていました! あまりの迫力に息をのむ調査員。こんな大きなサボテンは今まで見たことがありません。
興味をそそられた調査員は、サボテンの育て主に話を聞くべく、インターホンを鳴らします。あ、あのぅ〜、怪しい者ではございませんが…、と不信感をあおる言葉にもめげず「それなら入ってきてください」とお家の人が優しく門を開いてくれました。
出迎えてくれたのは、ご主人の銘苅秀盛さん。さっそくですが、どうやってこんなに大きく育てたんですか? 「いえ、特別なことは何もしていないのですが…。いつの間にかこんなに大きく育ってしまったんですよ」
ええっ!? 努力して大きくしていると思っていました。
「この家を2001年に建て、街並みに個性を出したいとの思いから、庭に好きなサボテンを植えたんです。これはその中の1本なのですが…。最初は、大人の背丈より低い1本の茎だったんですが、この1本だけあれよあれよという間に成長していったんです」
そんな小さな状態からここまで? すごい生命力です!!
「倒れないよう園芸業者に支柱を建ててもらったのですが、支柱より大きくなってしまって(笑)。台風が心配なので時おり剪定(せんてい)を行っていますが、自分ではできないので業者に頼んでいます」
品種の名前は何ですか?
「それが、品種は自分にも分からないんです。元県議会議員で、南城市大里でサボテン園をやっておられる瑞慶覧長方さんから譲り受けたので、そちらで聞けば分かるかもしれません」
サボテンではない!?
引き続き、南城市大里の瑞慶覧長方さんのお宅を訪ねた調査員。自宅の庭の一角がビニールハウスになっており、中に入るとサボテンがびっしりです!
若いころに見たディズニーの記録映画でサボテンをはじめとする多肉植物に魅せられ、収集を始めたという瑞慶覧さん。現在自宅には800種もの多肉植物があり、一時期は1500種を数えることもあったそう。ご本人は趣味と謙遜しますが、まさにサボテン博士です。
例のサボテンの写真をお見せしたところ、「これは確かに私が分けたものです。でも、サボテンではありませんよ」と驚きの答え。ええええーっ!?
「サボテンと同じ多肉植物ではありますが、科が違います。サボテンはサボテン科ですが、これはタカトウダイ科ユーフォルビア属の多肉植物。その『冲天閣(ちゅうてんかく)』という品種です」
サボテンではなく、「ユーフォルビア」なんですね!
聞けば、1999年に南米のペルーに大里村史の聞き取りのため現地の沖縄出身者を訪問した際、瑞慶覧さんが持ち帰ったものなのだそう。
「冲天閣は放っておいても10㍍ぐらい育つので、ペルーの住宅では、鉄条網の代わりに家の周りに植えられていますよ」
沖縄の地ですくすく育ったペルー由来のユーフォルビア。これからも、街行く人々を楽しませ、驚かせてほしいですね。