「島ネタCHOSA班」2015年11月26日[No.1597]号
10月に開催された県の産業まつりで、サメのジャーキーが売られていました。その時は勇気がなく、食べそびれてしまったのですが、気になっています。詳しく調べてください!
(豊見城市 ひとりジョーズさん)
ジョーズなジャーキー現る!?
サ、サメのジャーキー?
映画「ジョーズ」に出てくる、あのサメですか!? どんな味か想像もできません。
衝撃のパッケージ
サメという言葉が呼び覚ます不安と恐怖から、ズルズルと調査を引き延ばしにしていた調査員。が、ここで事態はいきなりの急展開。うわさを聞きつけた調査員仲間が、ジャーキーの現物をゲットしてきました。
パッケージを受け取ってみると…。ぎゃー! 巨大な口を開けたサメの絵が。ひぃぃ〜。
しかし、サメより怖い締め切りに追われる調査員は、意を決し、この「鮫(サメ)ジャーキー」の製造元である西原町の「スクワラン本舗」へと向かいました。
出迎えてくれたのは、代表取締役の宮城光秀さん。あ、あのぅー、これって、本当にサメの肉なんですか?
「はい。ただ、ホオジロザメなどのいわゆる『人食いザメ』ではありません。アイザメという深海ザメの肉です」
よかった、人食いザメではないんですね。ほっ。でも、深海ザメって?
「日本近海には、360種ほどのサメが発見されていますが、そのうちの50種ほどが深海で暮らす深海ザメです。深海800〜千㍍で暮らすアイザメはその一種。肝臓に含まれる栄養成分が高いことから、肝油エキスを抽出する目的で捕獲されています」
グルメもうなる味!?
「弊社は昭和46(1971)年の創業以来、アイザメの肝油を製造・販売してきました。これまで肝臓以外は処分していたのですが、仲間内では肉がおいしいことは知られていました。そこで、平成24(2012)年から、商品化に取り組むことにしたんです」
えっ、サメの肉がおいしい!? どんな味なんですか?
「アイザメの肉はクセのない淡泊な白身で、いろんな素材によく合います。和洋中と幅広く、フレンチやイタリアンとも相性がいいですよ」
なんと! それを聞いて食欲がわいてきました。
「サメの肉には、臭いというイメージもあります。確かに、捕獲後、時間が経過するとアンモニア臭が出てくるのですが、弊社は沖縄近海で水揚げされたアイザメを使い、捕獲から加工まで8時間と最短時間で行っているため、サメ独特のアンモニア臭を発生させません」
それなら安心ですね〜。
「最初は、サメ肉の認知度を上げるため、県内の産業まつり、催事、市町村のまつりなどで『ジョーズバーガー』として売り出したんです」
サメのバーガーとは! 反応はどうでしたか?
「サメというと抵抗感がある人も多いので『深海の魚です』と言って食べてもらうことも(笑)。『この魚、おいしいね。名前を教えて』と聞かれたらサメ肉と明かすのですが、皆驚いていましたよ」。今では、ジョーズバーガーは県の産業まつりなどで、3日間で600個が完売する人気商品になっているとか。
「ただ、バーガーは催事などでしか販売できません。そこで保存性のあるジャーキーを開発し、この10月に販売を開始しました。現在は、県内の量販店ドン・キホーテ、那覇市国際通りの土産店キッドハウス、同じく国際通り屋台村の離島マルシェで、1パック300円で売られています」
さて、ここで試食タイム。おそるおそるジャーキーを口に運ぶ調査員。ん? こ、これは…。歯ごたえのある表面に対し、中は意外に軟らか。かめばかむほどジューシーな味わい。肉に付けられたしょうゆがほんのり香り、七味の風味も◎。ビールのお供にも合いそうです。大変おいしゅうございました〜。
今後、味付けの種類を増やし、県内外へ販路を拡大していく予定だそう。沖縄の新しい名物になる日も近いかもしれませんね!
(写真提供:スクワラン本舗)